カナダ人のローレンス・ストロールがザウバーF1チームの買収をほぼ終えたと、欧州メディアが報じている。
Motorsport.comは、カナダの億万長者であるストロールがイタリアGPの行われていたモンツァのパドックでザウバー買収に動いていたと伝えている。
ストロールは、F1カナダGPの開催実績もあるモントランブラン・サーキットを所有し、ケベック州ではフェラーリの販売代理店も経営。フェラーリP4やフェラーリ275GTB/4といった世界的にも希少なモデルをコレクションしており、彼の息子であるランス・ストロールは2010年に当時11歳でフェラーリの若手育成プログラムFDA(フェラーリ・ドライバー・アカデミー)に抜擢、今シーズンもFDAドライバーとしてプレマパワーからFIA F4選手権に参戦している。
ローレンス・ストロールは、5.7%を保有する米ファッションブランド「マイケルコース」の株式を、彼の未公開株式投資会社スポーツウエア・ホールディングスを通じて売却しようとしており、これで得られる収入でF1チーム購入に動いているという。
他にもトミー・ヒルフィガーやレッドブルのスポンサー、ペペジーンズの株式を保有し、総資産23億ドルとも言われる55歳のストロールは、経済誌フォーブスの世界長者番付で816位にランクしており、バーニー・エクレストンも、F1を保有するCVCキャピタル買収の際にストロールと交渉を持ったと言われている。
今回の報道では、ザウバーとの取引が成立したも同然であると伝えられているが、ベテランジャーナリストのロジャー・ブノワは、「他にも売却の失敗を見てきた。彼はロータスとも関係がある」と慎重で、スイスメディアの「20min.ch」は、チーム創設者のペーター・ザウバーおよび現代表のモニシャ・カルテンボーンともに「ノーコメント」だったと伝えている。