『ザハ・ハディド』展が、10月18日から東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催される。
イラク・バグダッドに生まれ、ロンドンを拠点に活動するザハ・ハディドは、2004年に女性で初めて『プリツカー賞』を受賞した現代の建築界を代表する建築家の1人。レム・コールハース主宰のOffice for Metropolitan Architecture(OMA)に参加後、1980年に自身の事務所を設立し、1983年に会員制クラブ「The Peak」の国際コンペティションに勝利したことをきっかけに世界で注目を浴びた。その前衛的なデザインやアイデアから当時の施工技術などでは実現が困難なものが多く、独立後10年以上にわたり実際にプロジェクトが実現されなかったことから、建物が建設されない「アンビルトの女王」と呼ばれていた。
日本初の大規模なザハ・ハディド展となる同展では、初期「アンビルト」の時代に膨大なリサーチにもとづいて描かれたドローイング、キャリア初の実現プロジェクトとなった札幌のムーンスーン・レストランなど、日本と関わりの深い作品から、ドイツのヴィトラ社消防所やロンドン・アクアティクス・センターなど実作の代表作の模型や映像、アクセサリー、食器、家具といった建築以外のプロダクトデザインなどを通して、前衛的すぎると言われ続けてきたハディドの思想に総合的に迫る。さらに、景観や費用などの問題から様々な議論が行われている『東京2020オリンピック・パラリンピック』の会場となる新国立競技場のコンクール応募期から最新の計画までを紹介する。