86/BRZ Race初勝利を飾った小河諒(神奈川トヨタ☆DTEC86R) GAZOO Racing 86/BRZ Raceの第7戦が岡山国際サーキットで開催され、ウエットの予選では杉原直弥(NAMS☆制動屋☆SSR☆86)が初のポールポジションを獲得。ドライに転じた決勝レースでは、スタート直後にトップに立った小河諒(神奈川トヨタ☆DTEC86R)が、そのまま逃げ切って初優勝を飾ることとなった。
激戦続く86/BRZレース第7戦の舞台は岡山国際サーキット。シリーズも終盤戦に入って、そろそろチャンピオンにめどをつけたいポイントリーダーの谷口信輝(KTMS 86)は、今回から新車を投入。しかしながら「まだ500kmも走っていないクルマだからなのか、何か硬い感じがする。運転では負けていないつもりなのに」と、予選では1組の8番手に留まってしまう。
その1組のトップは若杉将司(mountain K-one 86)。直前までの雨の影響でウェットコンディションでの走行となるも、元全日本ジムカーナ王者らしく絶妙のコントロールをみせていた。これに続いたのは水谷大介(ネッツ東京86)、そして阪口良平(AREA86倉敷)となった。
2組の予選が始まると、路面状態はより向上。こちらのトップがポールポジションとなるのはもはや確実となっていた。1周ごとに着実にタイムが縮まっていき、ラストアタックでトップに立ったのは杉原。それまでトップだった小河をコンマ1秒差で従えた。
「岡山はAE86全盛の頃から走っていて、最近もGT-Rのチューニングカーで走っているホームコース。セミウエットの微妙なラインを知り尽くしているのが効いたんでしょう。ずっと4番手と(電光掲示板に)点いていて、そんなもんと思いつつ、徐々にラインをドライに戻していったら、最後でちゃったという感じです。すごい人たちが後ろにいるので、決勝はどうなるか……。ただ練習ではドライも悪くなかったので、それを自信にします!」と、地元の雄は語っていた。3番手は久保凛太郎(CG ROBOT 86 BS w NC)が獲得。
決勝レースの天気は曇りながら、完全にドライコンディションへと変化。見せ場をいきなり作ったのが2列目からスタートした小河だった。鋭くダッシュを決めて、1コーナーでアウトから杉原をかわそうとするも、ここでの逆転は許されず。しかし臆することなく引き続きチャージをかけてモスSでトップに浮上。このふたりに若杉、久保、水谷が続くも、オープニングラップのうちに阪口が水谷と久保を相次いで攻略すると、その勢いで2周目の1コーナーで若杉もかわすことに。「予選はドライセットのまま走って、失敗してしまったので、その分を取り戻します」と語っていただけに、これで半分挽回に成功する。
なんとか小河に食らいついていきたい杉原ながら、背後には阪口がついているだけに応戦一方。その間に小河は次第に差を広げていく。しかし、差が3秒に広がった5周目からセーフティカーが。6番手を走っていた水谷に、ブレーキが抜けてしまった久保が激突。これに谷口も巻き込まれていたのだ。せっかくのリードが水の泡となってしまった小河ながら、7周目からのリスタートも完璧。逆に杉原が出遅れてしまい、アトウッドカーブで阪口に、その後も若杉、蒲生尚弥(ASICS Blue 86R)に相次いでかわされる。
リスタートで稼いだ2秒のリードを、阪口に最終ラップに突入した時点で1秒を切るまでに詰められた小河ながら、辛くも振り切って最初にチェッカーを受けることに成功。86/BRZレースでの初優勝を飾ることとなった。2位は阪口が、3位は若杉が獲得。ポールの杉原は6位でのフィニッシュに。
「1周目のアトウッドまでに絶対トップに立つと決めていたので、狙いどおりになりました。SCが出た時は一瞬ヤバい、と思いましたが、出たものはしょうがないと。逆にまた引き離せましたしね。最後はタイヤもきつくなっていたんですが、良平さんもたぶん一緒で。でも、来たとしても絶対抜かせませんでしたけどね!」と小河。今年はPCCJ、S耐でも優勝があるだけに、残すはF4のFCクラスだけとなった。
(はた☆なおゆき)