岡山国際サーキットが舞台となった、スーパー耐久レース第4戦は、星野一樹/青木孝行/尾本直史組の81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-Rがポール・トゥ・ウインを達成。第2戦以来の勝利を挙げ、ST-Xクラスのランキングトップにも躍り出た。また、ST-3クラスでは35号車前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組のasset ings Z34が、開幕戦以来となる4連勝を達成。悲願のタイトル獲得に王手をかけることとなった。
スーパー耐久もいよいよ後半戦に突入。岡山国際サーキットで、第4戦が開催された。予選で最速タイムをマークしたのは、24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rを駆る藤井誠暢。ただひとり31秒を切る、1分30秒959を記して気を吐くこととなった。「このタイムには僕自身もビックリ」と藤井。しかし、AドライバーとBドライバーの合算では、GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが上回り、星野一樹/青木孝行/尾本直史組が3戦連続で最前列からスタートすることとなった。
決勝でも青木が好スタートを切り、しばらくは藤井も食らいついていたが、トラブルの発生で交換を強いられていたブレーキキャリパーが熱を帯び、フェード気味になっていったことでペースを抑えざるを得ず。ひとたび差が広がってからは、完全に青木が独走態勢へ。
藤井は3号車ENDLESS ADVAN Z4の飯田章にも追い立てられ、25周目には逆転を許してしまう。これでレースの大勢はほぼ決し、GTNET ADVAN NISSAN GT-R、ENDLESS ADVAN Z4、スリーボンド日産自動車大学校GT-Rのフォーメイションが続いていく。ドライバー交代のタイミングで、いったんはENDLESS ADVAN Z4にトップを譲ったGTNET ADVAN NISSAN GT-Rながら、星野の激走でトップを奪い戻すことに成功。最後は再び青木が担当し、そのまま逃げ切ることとなった。
「苦しいレースを予想していましたが、実際にはクルマのバランスも良く、途中から後ろを見てレースを組み立てることができて勝てました。シリーズポイントも肉薄していますので、今回の勝利はかなり大きいと思います」と青木。
ST-1クラスも、中山雄一/平川亮/畠中修組の37号車KeePer I.P.Sが圧勝。一度も同じクラスの車両を寄せつけなかったばかりか、周回遅れにするほどの速さを見せていた。
一方、ST-2クラスの序盤は、20号車RSオガワADVANランサーと59号車STURM MOTUL EDインプレッサのマッチレースに。それぞれ阪口良平と松田晃司がつかず離れず続いていたが、最初のピットストップでRSオガワADVANランサーがセルモーターのトラブルで、エンジンがなかなかかからぬ不運が。ここで差をつけたSTURM MOTUL EDインプレッサが逃げ切りを果たし、大澤学と吉田寿博、そして松田の3人が表彰台の中央で、今季3回目の笑顔を見せることとなった。
ST-3クラスでは、開幕戦から予選、決勝を通じ、他を圧し続けている前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組が、今回も勢いを衰えさせず。途中、マフラーにトラブルを抱えるも、それを悟らせぬスピードで3時間を駆け抜けた。唯一、食らいついていけた14号車岡部自動車サントラント195マイカーズZ33には、突然リアゲートが脱落するハプニングも。オレンジボール旗によって予定外のピットストップを強いられ、逆襲は許されなかった。開幕から土つかずの4連勝により、asset ings Z34の前嶋組は、最終戦を待たず次戦でタイトルを手にする可能性が濃厚に。
ST-4クラスでは、植松忠雄/藤田竜樹/寺西レオ組の41号車UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000が2連勝。藤田と植松がそれぞれロングスティントでつなぎ、終盤に再び藤田が乗り込む頃には、後続にも大差が。逆に2位争いが最後まで激しく、58号車ウインマックスTEINワコーズKRP☆DC5と333号車GLORY A-ONE FN2は、わずかコンマ09秒差、ほぼ並んでのフィニッシュとなった。
そして、ST-5クラスでは山田英二/山下潤一郎/荒井康裕組の2号車ホンダカーズ野崎with BOMEXが予選でトップ。決勝でも山田がスタートから逃げ、中盤には99号車BRP★J’S RACINGフィット3の追い上げもあったが、ピットロード進入時の速度違反でペナルティを受けて万事休す。ホンダカーズ野崎with BOMEXが、今季3チーム目のウイナーに輝いた。
(はた☆なおゆき)