後方スタートとなってしまった、ふたりの日本人ドライバー。厳しすぎる位置からのスタートであることに間違いないが、どこまで順位を上げてくることができるのか?
伊沢拓也は24番グリッド、佐藤公哉はピットレーンからのスタートである。先頭はおろか、入賞圏内の8位も遥かに遠い。特に佐藤は、レース1での事故の影響でモノコックを損傷。急遽スペアモノコックを用意して、昨晩3時までかかってマシンを組み上げたのだという。
伊沢はバツグンの蹴り出しでスタートを切ると、前のマシンに並びかける。しかし、行き場が無く大きく順位を上げることはできなかった。ただ、スタートでバンドーンがストール、バックストレートでマルケロフとガスリーがクラッシュ、パラボリカではチェコットとリールが接触し、ポジションを落とすマシンが多発。結局1周目を終えた時点で、伊沢が16番手、佐藤は20番手までポジションを上げることになる。
1周目の事故でセーフティカーが出動し、レース再開は7周目から。ここから佐藤、伊沢ともに順位を上げ、10周目には佐藤13番手、伊沢14番手と、入賞が見え始めるポジションまで上がっていく。
その後も数台のマシンがストップするなどしたが、代わりに後方から追い上げてきたバンドーンや、常にバトル関係にあったトルーマーに交わされるなど、結局佐藤13位、伊沢15位でのフィニッシュとなった。
レース後伊沢は「前がいなくなったから、順位が上がっただけ。ブレーキが全然止まらなかった。リヤのブレーキが効かず、抑えるように走っていた。ブレーキが止まらないから、コーナーも上手く走れない」と語った。
一方佐藤は「出来ることはやりましたけど、今日はできることが少なかった。クルマ全体がグリップしないというトラブルが出ていた。自分の位置をキープするので精一杯だった。(トルーマーとやりあっていたが)向こうの方が全然速いし、ブレーキのポイントも全然違う。コース上では1台も抜いてないですし。(いつもチームメイトと同じセッティングのクルマに乗せられているが)もうちょっと僕のことも考えて、クルマを作ってくれるとありがたい。チームメイトのクルマに僕が乗るんじゃなくて、僕のクルマに乗りたい」と、チームへの要望を語った。
今年のGP2も、残りはロシアとアブダビの2ラウンド。それぞれ満足いくとは決して言えない週末を過ごしたふたりだが、次のロシアラウンドには、何とか光明が差し込むことを、願わずにはいられない。