2014年F1第13戦イタリアGPは7日(現地時間)、アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァで53周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが今シーズン6勝目、通算28回目のトップチェッカーを受けた。ケータハムの小林可夢偉は17位完走を果たした。
ハミルトンが劣勢からの逆転劇でニコ・ロズベルグとの高速バトルに勝利、選手権リーダーとの差を縮めることに成功した。
レースは、スタートでポールシッターのハミルトンと3番グリッドのボッタスが失速、替わってロズベルグ、ケビン・マグヌッセン、フェリペ・マッサの3人がトップ3でレースをリード。逆にハミルトンは4番手、ボッタスは10番手から追い上げることになった。
しかしポジションを落としたハミルトンはすぐに攻勢に転じる。5周目にマッサに続いてマグヌッセンを攻略すると、10周目にはウイリアムズをオーバーテイクし、次なる照準をライバルのロズベルグに定める。
するとロズベルグが9周目の1コーナーでブレーキングをミス、シケインをカットしてリードタイムを1秒以上も失うと、ハミルトンは12周目から3周連続でファステストラップをマーク、ふたりの差は20周終了時点で1.2秒にまで縮まった。
この日唯一となる両者1回目のピットストップはロズベルグが先に動き、ハミルトンが翌周25周目にタイヤをミディアムからハードにスイッチ。ここでふたりのポジションが入れ替わることはなかったが、29周目の1コーナーでロズベルグが再び1コーナーのブレーキングをミス。これでハミルトンに先行を許したロズベルグはその後もチームメイトにセーフティリードを築かれ、ふたりのチームメイトバトルは残り20周を残して決した。
ロズベルグを従え53周のトップチェッカーを受けたハミルトンは、イギリスGP以来となる今シーズン6勝目を挙げ、前戦終了時点で29あったロズベルグとのポイント差を22に縮めた。
3位は、終始安定したペースで単独3番手を守ったフェリペ・マッサが昨年のスペインGP以来となる表彰台を獲得。ポディウムでは昨年まで8年間在籍していたフェラーリを応援するティフォシから大声援を受け、この日正式発表された来季の契約にも華を添えた。
オーバーテイクの連続でポジションを挽回したボッタスが4位に入り、ウイリアムズはコンストラクターズ選手権でフェラーリを抜き3位に浮上。レース終盤にセバスチャン・ベッテルを攻略したダニエル・リカルドが5位となった。地元フェラーリはキミ・ライコネンが9位、フェルナンド・アロンソは28周で今季初のリタイアと散々な結果に終わっている。
ハンガリー以来のレースとなった小林可夢偉は、終始ライバルのジュール・ビアンキの前を走り、17位でチェッカー。ポイント争いには遠く及ばなかったが、現状で可能なベストを尽くした。
なお、7位でチェッカーを受けたマクラーレンのマグヌッセンはボッタスとの接触で5秒ペナルティを受けたがレース中に消化しなかったため、レースタイムへの5秒加算で最終的な順位は10位となっている。