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GP2イタリア レース1:佐藤と伊沢、2周目1コーナーの不運

2014年09月07日 08:10  AUTOSPORT web

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快晴、ドライコンディションで行われた、GP2モンツァ・ラウンドのレース1。ふたりの日本人ドライバーにとっては、非常に厳しい結果となった。

 スタート直後、特に1コーナーで事故が多発するモンツァだが、この日は非常に綺麗に全車がクリアしていく。ただ、グリッドに到着してからレーススタートまでの時間が長く、エンジンがセーフティモードに入ってしまい、5番グリッドのトルマーを含む3台が大きく出遅れ、最後方に下がってしまう。

 佐藤公哉は13番手をキープ、伊沢は16番手スタートからひとつ順位を落とし、1周目を終える。先頭はポールポジションスタートのバンドーン、2番手はピックだ。

 佐藤は2周目に入った直後のホームストレートで、ハリャントを交わし、デロングに並びかける形で1コーナーに進入していく。しかし、デロングのイン側にいたコレッティがアウト側に進路変更したことでデロングと接触、デロングは弾き飛ばされる格好になってしまう。そこにハリャントを抜いた佐藤がいたため両者は接触。佐藤は右フロントサスペンション等を大破させ、レース終了を余儀なくされてしまう。デロングはピットへの帰還を試みたものの、結局コース途中にマシンを止めている。

 しかし、不可解なのはその裁定だ。この件に関しての非は佐藤にあるとして、レース2でのピットレーンスタートおよび制裁ポイント2点が課せられてしまった。

 佐藤は憮然とした表情で語る。

「僕の認識では、あの事故は寄せられたから起こったので、避けられないと思います。でも、審議では速度の違いに重きを置かれ、僕がブレーキングを遅らせすぎたとして、ペナルティになってしまいました。審議の結果について、納得はしましたけど……ひとりのドライバーに対してフェアじゃなさすぎる気がします」

 内心は忸怩たるものがあるだろう。本来は裁定について抗議したいところだろうが、「あとはチームに任せました」と、明日に向けて気持ちを切り替えていた。また、メカニックにマシン修理をさせることに対して「昨日も遅くまでエンジンを交換してくれたのに、今日はクルマを壊してしまって……申し訳ない」と語り、修理の作業に立ち会っていた。

 佐藤が絡む事故のとばっちりを受けたのは、伊沢拓也だった。17番手を走っていた伊沢だが、前方で起きた佐藤らの事故を上手く抜け、綺麗に1コーナーをクリアしていった。しかし、後方から来たビンダーが左リヤに当たり、伊沢はスピン。グラベルにマシンを止めてしまう。

「上手く切り抜けたと思ったんですけどね……2周目にあんなのが待っているなんて、思ってもいなかった。僕の認識では普通に曲がっただけなんです。でも、みんな止まり切れなかったという感じですね」

 伊沢の言う通り、見た目にも綺麗にシケインふたつ目を立ち上がったように見えた。しかし、後方から追突されてしまえば、避ける術はない。

 予選後にはレズモへの対策とスタート直後の1コーナーへの進入について、懸念を表していた伊沢。レズモについてはさすがに1周では分からないだろうが、スタート直後の混乱については「変なことする人がいなければ、変なことにはならないんですよ。それが無かったからですからね」。

 ただ、接触されたとはいえ、マシンに大きなダメージは無いようで、それがせめてもの救いと言えるかもしれない。

 レースは、結局ポールポジションからスタートしたバンドーンが、ピックとの接戦を制して優勝。今季3勝目を挙げている。ポイントリーダーのパルマーは、最後尾からのスタートだったものの8位に入り、明日のレース2のポールポジションを獲得している。

 日本人選手にとっては、実に厳しい結果となったモンツァのレース1。レース2が終わると、次はロシアGPまで、GP2はお休みとなる。長期休み直前のレース2、日本人のふたりにとっては後方からの厳しい戦いとなるが、ひとつでも上の順位を得て、今後に希望を繋げて欲しい。
(F1速報)