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GP2イタリア予選:日本のふたりを苦しめるセクター2

2014年09月06日 07:40  AUTOSPORT web

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「レズモの1と2で苦しんだ」と語った伊沢拓也
気温23度、路面温度35度。秋を思わせるような過ごしやすい気候の中行われた、GP2イタリアラウンドの予選。平均速度が高く、単純なレイアウトのため、トップのストフェル・バンドーンから22位のセルジオ・カナマサスまでが1秒以内に入る、非常に接近した争いとなった。

 この予選で、カンポス・レーシングの佐藤公哉は14番手、ARTグランプリの伊沢拓也は17番手。ふたりともセクター1と3は上位に匹敵する速さを見せたが、揃ってセクター2でタイムを落としている。中でも特に、右右の複合コーナーであるレズモが難しいと、口を揃える。

「マシンが僕の好みに仕上がってないので、レズモが上手く乗れていない。チームも、それについて上手く対応できていないんです」と佐藤が語れば、伊沢は「特にレズモひとつ目の右コーナーはブラインドになっていて、ブレーキングポイントとコーナリングするタイミングがつかめない。二つ目は(鈴鹿の)デグナーの二つ目みたいなんですけどね」と言う。このコーナーに対するセッティングさえしっかりできれば、決勝でも上位争いができるかもしれない。

 ちなみに、モンツァは“超高速”と言われるが、ドライバーとしては特にそうは感じていないそうだ。

「特に何も感じませんね。『直線速いなー』って思うだけで。ダウンフォースはいつもより少ないですけど、コーナリングについては特に大きな差を感じません。ブレーキが止まらないくらいですかね」(佐藤)
「全然超高速じゃないですよ。鈴鹿とか菅生とか、シルバーストンのようなコースが超高速ですよ。ここはストレートがいっぱいあるだけで、コーナーは低速のモノが多いですから」(伊沢)

 平均速度および最高速度が高いため、我々はモンツァを“超高速”と思いこみがちだが、乗っているドライバーたちは、そんなこと全く考えていないそうだ。我々も認識と、表現を変えた方がいいかもしれない。

 決勝へ向けての意気込みを聞くと、またしても両者から同じ答えが返ってきた。

「まずは1コーナーを気を付けないと」

 長い直線から一気に超低速のシケインに飛び込む1コーナーは、F1でもGP2でも、毎年のように接触が起きる場所だ。まして今回のように中段からのスタートともなれば、そのリスクは高まる。

「周りから当てられるのは仕方ないですけど、僕からは事故を起こさないように。無事故無違反で、トップ8で終われるように、全力を注ぎたいですね」と佐藤。伊沢も「1コーナーを上手く切り抜け、あとは作戦と、自分が持ってるモノを出すしかないですね。何ができるかは、これからチームと考えます」と決勝への意気込みを語ってくれた。

 ふたり揃って難しい位置からのスタートとなるが、レズモへの対策さえ見出すことができれば、上位との差は格段に縮まるはず。ぜひ8位以内のフィニッシュを実現して、日曜日のレース2に繋げて欲しい。
(F1速報)