マクラーレンから熱心なオファーを受けていると言われるフェルナンド・アロンソだが、イタリアGPを前に、今はフェラーリを離れるつもりはないと発言した。
アロンソとフェラーリは2016年末までの契約を結んでいるものの、今年もフェラーリがタイトル争いができるマシンを作れなかったことで、アロンソが見切りをつけて契約期間終了を待たずに他に移籍するのではないかとの憶測が高まっている。
来季からホンダと組んでトップへの返り咲きを目指すマクラーレンは、可能な限り優れたドライバーを獲得したいという強い意向を持ち、アロンソとセバスチャン・ベッテルにオファーをしている。ただしベッテルも2015年末までレッドブルとの契約があり、マクラーレンはアロンソに関してもベッテルに関しても、契約できる時期まで待つつもりでいると言われている。
Sky Sports Newsのインタビューにおいて、アロンソは今季飛躍できなかったことへの失望を語っている。
「僕らにとって残念なシーズンとなっている」とアロンソ。
「今年は新レギュレーションが導入され、全チームがゼロからのスタートとなり、設備と優れた人材を持った僕らがアドバンテージを見出せるかもしれないと考えていたのだ。だが実際には競争力がなく、思っていた位置で戦えていない」
「今年はここ数年よりさらにトップから離れている」
しかしマクラーレンとの契約について聞かれたアロンソは「今は動こうとは考えていない」と答えた。
「僕はフェラーリのために勝ちたい。ここで勝ち、数年前に始めた仕事をやり遂げたい。今後の成り行きを見ていく」
「昨年夏からいろいろなうわさが持ち上がっているけれど、僕自身はフェラーリを離れたいと言ったことは一度もないし、他のチームに加入すると発言したこともない。すべてが推測だ。それによって動揺するようなことはないが、多少緊張とストレスを感じる。しかし、トップチームが関心を示してくれて、それを公言しているというのは、嬉しいことであり誇りに思う」
チームプリンシパルのマルコ・マティアッチは先週、2015年もアロンソとキミ・ライコネンのラインナップを維持すると発言している。
英AUTOSPORTは、「アロンソはドライビングと同様に非常に正確な発言をする」として、「“今は”動こうとは考えていない」という言葉に、将来の移籍の可能性が残されていると受け止めている。
たとえマクラーレンの人間であっても、アロンソが2015年にポテンシャルが予想できないマクラーレン・ホンダに移るような“ギャンブル”をするとは考えていない、として、アロンソは来年のフェラーリとマクラーレン・ホンダのパフォーマンスを確認してから決断する可能性が高いと英AUTOSPORTは主張している。
また、ベッテルの動向、メルセデス内のニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンの今後の関係によっては、来年末の時点でマクラーレン以外のトップチームにシートの空きが出る可能性もある。