ベルギーGPでアンドレ・ロッテラーにシートを奪われ、次戦イタリアGPの出場も危ぶまれているケータハムF1チームの小林可夢偉が、古巣のザウバーに復帰する可能性があると、オートスポーツ誌が報じている。
可夢偉は、ベルギーGPの直前にドイツ人ドライバーのロッテラーにシートを奪われ、今週末のイタリアGPでも復帰できる可能性は今も不透明な状態だ。現在、彼のシートを巡っては、ロッテラーの他にふたりのスペイン人ドライバー、ロベルト・メリとカルロス・サインツJrの名前が上がっており、欧州メディアはロッテラー再起用の可能性も伝えている。
そうした中、F1ジャーナリストのルイス・バスコンセロスは、可夢偉がエイドリアン・スーティルの後任としてザウバーに復帰、鈴鹿の日本グランプリを走る可能性があると明かしている。
記事では、ケータハム旧首脳陣のひとりと親しい人物の話として、チームは可夢偉をベルギーGPに乗せなかったことで契約違反に問われる可能性があり、今後ドライブしない場合には可夢偉が開幕前に支払った寄付金を含む資金の一部返還を求める権利があるという。
実際、やり手のコリン・コレスからお金を取り戻すにはかなりの時間と労力を要すると指摘されているが、常々、資金で自らを売り込むことをよしとしない可夢偉は別にチャンスが訪れればケータハムと縁を切るだろうとし、それに関連してザウバーに近い情報筋の話を紹介。
それによれば、これまでチームの期待通りの活躍を示せていないスーティルがイタリアGP後に解雇される場合には、可夢偉が後任候補の筆頭であることを示唆しているという。
ザウバーはここまで1ポイントもとれずにコンストラクターズ選手権ではマルシャに次ぐ10位と低迷。エースドライバーの役割を期待されたスーティルは、何度かミスを犯しポイントも取り逃しており、マシン開発への貢献も成果は少なく、さらに彼の持ち込みスポンサーの支払いも滞っていることから、ポイント獲得可能な後任ドライバーを確保できれば、チームはスーティルを降板させる考えがあるという。
ザウバーには豊富なスポンサーマネーを持つギド・バン・デル・ガルデもいるが、代表のモニシャ・カルテンボーンは、マルシャを上回るポイントを獲得することで今後のドライバーの持ち込み資金よりも多い分配金を得られるというシナリオに傾いているとし、可夢偉の復帰こそが両者にとって最良だと結んでいる。