スーパーGT第6戦インターナショナル鈴鹿1000kmは31日、173周の決勝レースが行われ、GT300クラスはARTA CR-Z GTとの熾烈なバトルを制したTWS LM corsa BMW Z4がスーパーGT初優勝を飾った。2位はOGT Panasonic PRIUS、3位はStudie BMW Z4が入っている。
序盤からTWS LM corsa BMW Z4、ARTA CR-Z GTという性格の異なる2台の争いにより展開していったGT300クラスの戦い。上位はピットインタイミングもほぼ同じで、僅差の争いのままレース終盤戦を迎えていく。2台の後方には大きくギャップがあるもののOGT Panasonic PRIUSが3番手。Studie BMW Z4が4番手に続いていく。
一方、96kgという非常に重いウエイトを搭載しながらも、チームの総合力の高さ、そしてドライバーが安定したラップタイムを刻み続けジワジワとポジションを上げてきたのは、4号車グッドスマイル 初音ミク Z4。ランキング首位のGAINER DIXCEL SLSが苦しむ中で上位進出を果たしていく。それに続くのは2度のペナルティからポジションを戻してきたMUGEN CR-Z GTで、気付けばJAF-GT勢とBMW Z4 GT3勢が上位を争う展開となった。
両者は僅差の争いを展開したまま、127周を終えARTA CR-Z GTが、128周を終えTWS LM corsa BMW Z4がピットに向かう。アンカーとしてARTAは小林崇志が、TWSは吉本大樹がステアリングを握る。しかし、TWSはややピットストップに時間がかかり、アウトラップでARTAが先行! しかしすぐに吉本はペースを上げ、残りわずかのマッチレースが展開されていった。
131周目の1コーナー、吉本は一気にARTAのサイドに並びかけるが、そこは小林が譲らず。JAF-GTとFIA-GT3、成り立ちも仕組みもまったく異なる車種が素晴らしい勝負を展開する、GT300らしい苛烈なバトルが展開されていく。
迎えた133周目の1コーナー、今度はアウトから吉本が小林に襲いかかり、アウトから豪快にオーバーテイク! 地力のペースに優る吉本に対し小林も抵抗できず、ふたたびTWSがトップに浮上していった。終盤、再び小林が再び吉本とのギャップを縮めていくも、残りわずかというところでARTA CR-Z GTはまさかのスローダウン! 一度ピットに戻り給油を行ったものの、症状は改善せず。最終的にガレージインとなってしまった。
ARTAのトラブルにより、トップが盤石のものとなった吉本はそのままチェッカーまで走りきり、見事トップチェッカー! 今季スーパーGT初参戦となるLM Corsaが、初年度にして見事優勝を飾った。吉本にとっては2012年アストンマーチンでの勝利以来、飯田章にとっては2007年、ウェッズスポーツセリカを駆って以来のGT300勝利となった。ドライブこそなかったが、第3ドライバーの佐藤晋也にとってはスーパーGT初勝利だ。
2位はARTAのトラブルによりOGT Panasonic PRIUSが浮上。しかし残り6周というところでStudie BMW Z4が急接近。しかし嵯峨宏紀が粘りをみせ2位を守った。3位はStudie BMW Z4、4位は終盤に山内英輝が快走をみせポジションを上げたGAINER Rn-SPORTS SLSという結果に。グッドスマイル 初音ミク Z4は5位となり、BMW Z4 GT3が1-3-5位を占める結果となった。