29日、全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦スポーツランドSUGOから2戦参戦することが明らかにされた、道上龍が組織した新チーム『ドラゴコルセ』。その全貌とはいったいどんなものなのだろうか? スーパーGT第6戦鈴鹿に第3ドライバーとして参戦している道上に聞いた。
2000年のJGTC王者である道上は、長年ホンダのエースとしてスーパーGTに参戦。今季はドライバーとしては引退はしていないものの、後進を育成するべくスーパーGTはドライブせず、TEAM無限のエグゼクティブアドバイザーを務めていた。
そんな道上は、以前から自身のカートチームを組織するなどしていたが、世界で活躍できるドライバー創出に向けたさらなるステップアップと、将来のチーム活動を視野に新チーム『ドラゴコルセ』を組織。伊沢拓也を擁し、第6戦SUGOと第7戦鈴鹿に参戦することになった。
道上によれば、新チームのメンテナンスは、スーパーGTでARTA Projectのマシンを担当するセルブスが担う予定で、エンジニアはまだ未定。エンジンはホンダを使用する。来季以降については、「まずはこの2戦をやってみての話になると思います。やりたいですけどね」とのこと。
ちなみに、カーナンバーは34を選んでいるが、「番号をどれにしますか? と聞かれた時に、残っている番号に34というのがあったんです。僕の実家のカートショップが『トレンタクワトロ』というんですが、イタリア語でトレンタは30、クワトロは4なんです。それだけです。いろいろ考えて、娘の名前から取ろうかな……とも考えたりしたんですが、やっぱり家族を出すのもねぇ(笑)。新チーム名もドラゴコルセとイタリア語から取っているので、こちらもイタリア語から取りました」とのこと。
また、気になるカラーリングはホワイトをベースに、ブルーとレッドのラインが入る予定だという。“龍”をイメージしたラインになる予定だが、日本らしさというより、ヨーロッパをイメージしたものになると道上。メインスポンサーも交渉中だ。
この新チーム、7月頃から構想が浮かび、道上が進める育成と結びつけながら「いつかは自分もチームを持ちたいという希望をもって話をしてきた。いろんな方の応援もあって決まりました」という。シャシーはホンダが所有していたスペアモノコックを使用する予定で、レース前に一度テストを行うとのこと(テストカーとは別車両)。
「今まではずっとドライバーとしてやってきましたが、ホント事務的なことが大変ですね(笑)。まずはクルマを走らせることが重要なので、ピットのパーティション等は見た目が良くないかもしれません」とチーム結成に向けた苦労を語る道上。
ただ、ドライバーという面では経験豊富な伊沢を起用するのは安心できるポイント。「いろんなカテゴリーに乗っているし、初めてのチームではそうやって経験があるドライバーの方がいい。伊沢はけっこうまわりに言うタイプだけど、そうしてくれた方が新しいチームにとってはいいですからね。GP2と重なっていないので連絡して、OKしてくれた」と起用の経験を語る。
「最初からうまくいくとは思いませんけどね」と道上は言うが、道上、伊沢というふたりを擁したスーパーフォーミュラの新チームは大きな期待をせずにはいられない。カラーリング等々とともに、実戦デビューを楽しみにしたいところだ。