トップへ

たかの友梨ビューティクリニック従業員が厚労省に提出した「公益通報」申立書(全文)

2014年08月29日 21:51  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

大手エステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」で働く従業員の女性が、同クリニックを経営する高野友梨社長から圧迫的行為を受けたとして8月28日、厚労省に公益通報の申立をした。女性が提出した「申立書」によると、女性は労働環境改善のために、労働基準法違反について労働基準監督署に通報したところ、高野社長から2時間半に渡って圧迫的行為を受け、体調を崩したとしている。


【関連記事:たかの友梨社長「労働基準法はどうであれ、うちはできない」――10分間の音声は語る】



女性が提出した「申立書」の内容は次のとおり。なお、「私こと●●」の箇所の「●●」については、実際には申立人の名前が入っていたが、プライバシーの観点から伏字とされている。



●たかの友梨ビューティクリニック従業員による申立書


2014年8月28日


厚生労働省


大臣官房総務課


行政相談室 御中



申立書


前略



 私こと●●は、下記の通り、公益通報保護法違反、労働組合法違反について申し立てます。


 私は労務提供先である株式会社不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)に対して、労働環境改善のためユニオンに加入して団体交渉を行い、また労働基準法違反に関して仙台労働基準監督署への申告を行いました。その結果、仙台労働基準監督署からは是正勧告を出していただきました。女性が働きやすい職場に変わってもらいたいという思いで行った行為でした。


 しかし、代表取締役である高野友梨氏は、私が勤務する仙台店に直接現れ、同店の全従業員が見ている中で、ユニオンの団体交渉や労基署への申告を行ったことについて非難しました。同社が労働基準法に違反することじたいを開き直り、労働基準法を遵守させることで同社を潰すつもりかと詰問しました。また、ユニオンの団体交渉や活動に対する批判の文章を全店舗にFAXにて送付することも行っており、それをその場で管理職に読み上げさせるなど、私に対する圧迫的行為を2時間半に渡って断続的に続けました。


 その結果私は精神的に追い詰められ、体調を崩し夜も眠ることができず、会社に出社できなくなりました。これは、公益のために通報を行った労働者に対する不利益な取扱いを禁止する公益通報者保護法の趣旨を逸脱する行いであり、今後同社から公益通報を行うことを著しく困難にする行為です。また、高野友梨氏が私やユニオンに対して行った行為は明らかに不当労働行為であり、労働組合法違反です。そのような事実をここに公益通報として申し立てます。



草々


(弁護士ドットコムニュース)