スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は29日、2015年からGTAがプロモートするFIA-F4の開催概要を発表するとともに、使用されるワンメイクシャシーである童夢F110を公開したが、発表会に続き、石浦宏明のドライブでシェイクダウン走行を行った。
FIA-F4は、現在日本で開催されているF4とは異なるもので、FIA国際自動車連盟がF3を目指す15歳からの若手ドライバーのための下位カテゴリーとして導入されるもの。F3並みの安全基準をもったカーボンモノコックシャシー、140~160馬力のエンジンを搭載しながらも、厳しいコストキャップが敷かれている。
29日に公開された童夢F110は、そんなFIA-F4開催に向けJMIA日本自動車レース工業会が開発したマシン。童夢製CFRPシャシーにトムスが製作した2リッター自然吸気直4エンジン、戸田レーシング製の6速ミッション等を搭載。すでに転がし程度は行っていたというが、今回が初の本格的な走行となった。
ピットレーンでは他スーパーGTチームが設営作業を行う中で行われたシェイクダウンは、さまざまなフォーミュラカーの経験をもつ石浦が担当。スーパーフォーミュラで使用するヘルメットにブルーのレーシングスーツを纏った石浦は、多くの報道陣が見守る中で童夢F110に乗り込むとコースインしていった。
東コースを1周しピットに戻り、チェックの後再びコースに戻った石浦は、5周ほどを快調にこなし再びピットへ。連続走行中も大きなトラブルなく、シェイクダウンは成功裏に終わった。
「僕は今までF4やスーパーFJとかにも乗ったことがあるんですが、このクルマはエンジン音もさっき初めて聞いたくらいでしたが、今初めてコースインしたとは思えないくらい順調に走りましたね。いきなり全開で走ることができました」と石浦はマシンから降りた後、童夢F110の感想を語った。
石浦によれば、この日はパドルシフトはまだついていなかったものの、パワーもありコントローラブル。現在開催されているF4、また昨年まで開催されていたフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)と同等の速さを発揮するのではないかという。また、コクピットの広さにもかなり余裕があり、背の高い石浦でも十分なスペースがあったとのこと。
「クルマは事前に『重量がちょっとある』という話を聞いていたんですが、走ってみるとそんなことはなくて、最後はちょっとスライドするくらいまで攻めてみましたが、その領域でも動きはマイルドで、入門カテゴリーに向いていると思います」
日本のものづくり、そして若手育成に向け注目のカテゴリーと言えるFIA-F4。8月30日~31日のスーパーGT第6戦鈴鹿ではピットウォーク時に展示されるほか、決勝日には井口卓人のドライブでデモランも行う事になっている。ぜひその高いパフォーマンスを目撃していただきたい。