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GTアソシエイション、FIA-F4の開催概要と童夢F110シャシーを発表

2014年08月29日 14:00  AUTOSPORT web

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日本初のFIA-F4車両である童夢F110とGTA坂東代表、トムス大岩湛矣社長
スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は29日、2015年からGTAがプロモートするFIA-F4の開催概要を発表するとともに、使用されるワンメイクシャシーである童夢F110を公開した。

 FIAフォーミュラ4は、現在日本で開催されているF4とは異なるもので、FIA国際自動車連盟がF3を目指す15歳からの若手ドライバーのための下位カテゴリーとして導入されるもの。F3並みの安全基準をもったカーボンモノコックシャシー、140~160馬力のエンジンを搭載しながらも、厳しいコストキャップが敷かれている。

 また、FIAの計画では各国のASN(日本で言えばJAF)がシリーズを運営するか、ASNとプロモーターがシリーズを運営する形で世界各国でF4レースを開催する方向となっており、GTAはすでにプロモーターとして名乗りを上げ、今後GTA、そして今回シャシーを製作したJMIA日本自動車レース工業会とともに、日本の次代を担う若手ドライバーの育成、そして日本のものづくりを推進していく。

 29日に行われた発表では、イエローのボディに彩られた童夢F110が公開された。すでにイタリアではFIA-F4規定のレースが開催されており、タトゥース製のマシンが走行しているが、童夢F110はそれに比べても非常に流麗な印象。本来、厳しいコストキャップを実現するために他コンストラクターでは風洞実験等はそれほど行われていないというが、将来的に国際的な競争力を保つべく、童夢の“風流舎”で風洞にかけられ、高いパフォーマンスを示すという。また、風洞実験に関してはトヨタからの援助もあったという。

 この童夢F110に組み合わされるのは、F3で高い実績を誇るトムスが製作した2リッター自然吸気直4エンジン。出力は160馬力となっている。また、戸田レーシング製のミッションは6速パドルシフトで、モノコックはF3安全基準に準拠している。

 すでにJAFから規定については公開されているが、2015年は全戦が日本国内でのスーパーGTのサポートレースとして開催される予定で、1大会2レースを開催。ただ公式予選は1回で、1レースはファステストタイムが、2レースはセカンドベストがグリッドとして採用される。また、JAF地方選手権として開催される予定で、有効ポイント制(80%=14戦中11戦をカウント)となった。

 また、シリーズのプロモーションとして、GTAが培ってきたテレビ等のメディアを使ったプロモーションを行っていくほか、シリーズの成績優秀ドライバーに対し、自動車メーカーやGT300チーム、F3参戦チームが有力選手の獲得を目指す『スカウト制度』や、若手育成のための『SUPER GTアカデミー(仮称)』の開設も検討。同時に若手オフィシャルの育成等も目指し、日本のレース界を育てていく土壌にしたいという。今回、記者会見に登壇したGTA服部尚貴氏によれば、「モータースポーツ界の甲子園」を目指していきたいとのこと。

 なお、FIA-F4については現在実走を開始しているタトゥース、今回公開された童夢の他にも参入が予定されているコンストラクターが多数存在するが、日本のFIA-F4は当面童夢のワンメイクとなり、5年間は規則が変更されないとしている。