2014年08月28日 18:31 弁護士ドットコム
新築の家を建てると、国から補助金がもらえる「すまい給付金」。今春の消費増税に伴って、住宅購入者の負担を緩和するために導入された制度だが、「存在を知らなかった」という人がいるようだ。
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Q&Aサイトにも「(給付を受ける手続きが)ネットで調べても分かりません。どなたか教えてくれませんか?」といった相談が寄せられている。
この「すまい給付金」。いったい給付を受けるためには、どのような条件を満たす必要があるのだろうか。益田あゆみ税理士に聞いた。
この「すまい給付金」はざっくりいうと、どんな制度なのだろう。
「すまい給付金は、消費税増税に伴って、『住宅ローン減税』とセットで導入された負担軽減制度で、収入が一定以下の人が対象となります。
マイホーム購入者が申請すると、最大で30万円(消費税率8%時)の現金をもらえるという制度です」
どんな場合にもらえるのだろうか?
「すまい給付金をもらうためには、収入のほかに、次のような条件をクリアする必要があります。
(1)申請者自身が住む住宅であること
(2)床面積が50平方メートル以上であること
(3)住宅が一定の品質を備えていること」
(1)と(2)は自分でわかるが、(3)の品質はどうすればわかるのだろうか?
「住宅品質の証明には、『住宅瑕疵担保責任保険』加入時の検査など、第三者機関の検査を受ける必要があります。
また、消費税がかからない場合、つまり、中古住宅を個人から買う場合はもらえません。これは、消費税増税に伴う負担軽減するという、制度の趣旨から外れるからです」
「すまい給付金がもらえる収入の目安は、所得の種類や家族構成によって変わってきます。
今回は、サラリーマンの夫と収入がない妻、中学生以下の子どもが2人という世帯をモデルにして、消費税率が8%の場合で計算します。
このモデル世帯が、住宅ローンで購入する場合、給付金をもらえる収入目安は『年収510万円以下』となります。
一方、現金で買う場合、『年齢が50歳以上』という条件が加わり、その代わりに収入目安は『年収650万円以下』になります」
最大30万円ということだが、いくらもらえるのだろうか?
「収入によって、10万円、20万円、30万円のどれかになります。具体的には、都道府県民税の所得割額によって決まりますので、市区町村から、個人住民税の課税証明書を入手してみましょう。より詳しくは、国土交通省のホームページ(http://sumai-kyufu.jp/)で確認してください」
申請は、どんな風にすればよいのだろうか。
「入居後に『すまい給付金申請窓口』へ持参するか、郵送で行います。2カ月ほどの審査ののち、申請者本人の銀行口座へ給付金が振り込まれます。
給付申請書は指定のフォームに4ページほどです。添付書類の用意は手間だと感じるかもしれませんが、手引きを見ながら個人で申請することも十分可能です。
ただ、自分で申請するのが面倒だという方は、住宅業者にお願いするのも手です。申請も受領も住宅業者を通して行うことができます」
益田税理士はこのように述べていた。
【取材協力税理士】
益田あゆみ(ますだ・あゆみ)税理士
東京都生まれ。高卒。通称“セラピスト税理士”。税理士業界にメンタルサポートを取り入れ、女性経営者の抱える悩みにこたえる経営相談を行っており、クライアントには女性起業家も多い。米国会計事務所に勤務経験があり、アメリカ税務の相談にも応じている。
事務所名 :益田税理士事務所
事務所URL:http://ayumi-office.com/
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