8月27日朝のNHK「あさイチ」は、「どうする? 謝罪のココロ」と題した特集を組んだ。番組が実施したアンケートによると、ご近所やママ友に関係した問題などで、4人に1人が謝罪をめぐってトラブルになった経験があるという。
ネットで大きな話題となったのは、番組中に紹介された「謝罪代行会社」の存在だ。本人に代わって謝罪をしてくれるほか、依頼者の家族や会社の上司になりすました謝罪も請け負ってくれる。
背景に「他人と面と向かって接してこなかった人」の増加
番組に登場した謝罪代行業者は創業7年で、年間300件の謝罪代行を行っている。ビジネスが成り立つ背景には「他人と面と向かって接してこなかった人が増えて、どのように謝っていいか分からないという人がいる」状況がある。
利用者の4割は女性で、20代から40代からの「金銭や仕事、交際」のトラブルが多い。これには視聴者から、ツイッターなどで「信じられない」と驚く声が一斉にあがっている。
「謝罪代行に依頼する時点で、本気で謝る気ないでしょ!!って思うのは私だけ?」
「謝罪される側の気持ち置いてきぼりすぎる。謝罪の意味ないじゃん」
「代行に頼んでる時点で誠意の欠片も感じられない」
「謝罪代行してた人ってそのまま成長したら謝れない人になっちゃうってことじゃないですか!!!」
ただし番組によれば、特に女性の場合、相手がなかなか謝罪を受け入れてくれないことも多く、代行業者が家族や会社の上司になりすまして謝罪してくれるそうだ。確かに、相手の弱みにつけこむ人もいることだろう。
ネチネチと陰湿ないじめを繰り返すママ友や、理不尽な理由で因縁をつけるモンスタークレーマーなどは、「誠意」を盾に不当な要求を繰り返してくることがある。トラブルがこじれ自分で解決できなくなったら、客観的な視点を持った他人を間に入れるのも有効だ。
ツイッターにも、「中途半端な対応で相手を不快にさせるならプロにノウハウ学んだほうがスマート」という投稿もあった。
母親を名乗って「交際相手と別れさせた」例も
また、企業のコールセンターやサポートセンターは、実質的に「謝罪代行業者」として機能していると指摘する人もいる。クレームの電話が大量発生するタイミングで、外部業者に対応を依頼するのだから、似たようなものか。
「クレーマーみたいなのへの謝罪はぶっちゃけクソみたいな経験だから代行でもいいと思うし、サポセンの仕事のほとんどが企業の謝罪代行みたいなものだし」
なお、番組で紹介された事例は、「長年付き合っていた男性と別れたいが納得してもらえない」という女性が、「(代行業者が)母親を名乗って謝罪し別れさせた」というもの。
「会社を辞めたいんですけど、親のふりをして謝罪して下さい」
というものもあったという。ブラック企業に脅されて辞めさせてもらえない、という人には利用できそうだ。弁護士に相談するほどでも、と迷う案件には使えそうな気もする。
なお、都内のある業者のウェブサイトによると、取引先や顧客へ訪問し謝罪対応を行ってくれる「面接謝罪代行」は基本料金2万5000円から、電話対応やメール対応は内容により1万円からとなっている。
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