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ロズベルグ、ハミルトンとの“故意の接触?”のペナルティはなし

2014年08月27日 12:10  AUTOSPORT web

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2014年ベルギーGP ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ(メルセデス)
ベルギーGPでのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの接触に関し、FIAが審議を開始するのではないかとの推測が一部で持ち上がっているが、FIAにはその意向はないようだ。

 ベルギーGP決勝2周目、ロズベルグがハミルトンを追い抜こうとした際、レ・コームで2台は接触した。ロズベルグのフロントウイングが当たったことでハミルトンのリヤタイヤがパンク、ハミルトンは最終的にリタイアを喫した。

 ロズベルグは2位でフィニッシュ、これによりランキング首位のロズベルグとハミルトンのポイント差は29ポイント差に拡大した。

 レース後のミーティングを終えたハミルトンは、ロズベルグが故意に接触したと述べたと発言した。

「(接触に関してチームで)ミーティングをしたのだが、要するに彼はわざとやったと言った。避けることは可能だったと言っていた。『自分の正当性を証明するためにやった』と彼は言ったんだ」とハミルトン。
「ミーティングで彼の言葉を聞いて本当に驚いた。何を証明したかったのか彼に聞いてみるといい。ミーティングにやってきた彼は全部僕のせいだと言った」


 FIAのスチュワードは決勝日にふたりのアクシデントについてチェックしたものの、単なるレーシングアクシデントであるとの結論に達した。

 しかしロズベルグのこの発言によってFIAが改めて審議を行い彼がペナルティ対象になるのではないかとの推測が持ち上がった。

 FIA国際スポーツ法典第13.10条においては、新たな証拠が現れた際には改めてヒアリングを行うと記されている。

 ハミルトンが明かしたロズベルグの発言はこの「新たな証拠」に当たるとの解釈もできるが、FIAは日曜夜から現在まで、ロズベルグのコメントは必要とされる「新たな証拠」には当たらないとの見解を維持している。


 メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフが、ロズベルグのコメントはそういう意図でなされたものではないと発言したことも、FIAがその見解を変えない要因となっているようだ。

 ウォルフは、実際にロズベルグがそういう発言をしたことは認めたものの、誤った解釈がなされていると述べた。

「ニコは自分のラインを保つ必要があると感じていた。それを証明しなければならないと思ったのだ」とウォルフ。

「彼はルイスはスペースを残すべきだと考えた。ルイスがスペースを与えてくれていないと(ニコは)思ったのだ」
「ミーティングでは激しい議論が繰り広げられ、意見の一致は見られなかった。だが、故意にクラッシュしたということではない。それはナンセンスだ」

 メルセデスかハミルトンが正式に訴えを起こし調査を要求した場合のみ、FIAが行動を起こすものとみられるが、訴えが起こされる可能性はほぼないと考えられる。