小林可夢偉が欠場したベルギーGP。日本のファンにとって気がかりなのは、次戦イタリアGPで、可夢偉はしっかりと復帰するのかどうかということではないだろうか?
レース後、サーキットを後にしようとするコリン・コレスの姿を見つけたので、その件を尋ねてみた。ハンガリーGPの時も、そして可夢偉を交替させたベルギーGPの週末も、コレスはずっと「今後についてはノーコメントだ。まだ何も決まっていない」と貫き通してきたコレス。しかし、パドックの出口へ歩きながら向かう途中での会話で、コレスはこれまでより一歩踏み込んだコメントを発した。
「今、私の中には3人の選択肢がある。その中から誰を選ぶのかは、経済的なことだけが理由ではない。法律上の問題もある。例えば、スーパーライセンスがFIAから発給されるがとうかの問題だ」
ベルギーGPのパドックでは、イタリアGPでエリクソンのチームメイトとしてケータハムを走らせるドライバーとして、可夢偉とアンドレ・ロッテラーの他に、ふたりのスペイン人ドライバーの名が噂されていた。ひとりはカルロス・サインツJr.で、もうひとりはロベルト・メリ。共にフォーミュラ・ルノー3.5に出場中のドライバーだ。
そこでコレスに、3人の選択肢の中に、そのスペイン人が入っているのかを尋ねると、「入っている」とコレスは答えた。そうなると、スペイン人でスーパーライセンスを持っていないロベルト・メリがコレスが言う「3人の候補」のひとりなのだろう。しかも、メリはベルギーGPにもコレスの招待を受けて来ていた。
また今回、可夢偉の代役としてベルギーGPに出場したロッテラーも「今後については何も決まっていないが、もしチームから要請があれば、再び乗りたい」と語っている。ちなみにイタリアGPが開催される9月5日から7日はスーパーフォーミュラもWECもないため、物理的にロッテラーがケータハムのステアリングを握ることは可能である。
最後にコレスに、イタリアGPに可夢偉が出場できる可能性を尋ねると、「3人のうち誰になるのかは、本当に分からない。だから、33%だ」
果たして、3人の中から誰が選ばれるのだろうか? あるいはこの3人以外に別なドライバーが選ばれることはあるのだろうか? 日本のファンにとっては、眠れない夜がしばらく続きそうだ。
(尾張正博)