曹洞宗総合研究センターは9月13日、東京グランドホテルで「就活生のための禅講座」を開催する。就活に役立つ禅の知恵を「実践」を通して伝えていく、というのがテーマだ。
講座ではまず、ストレッチで身体をほぐしてから坐禅。頭をクリアーにした後、次の「行住坐臥(ぎょうじゅうざが)」のワークショップでは、「歩く・立つ・坐る・寝る」といった日常動作を通してリラックスする方法を学ぶ。
この講座は4回目で、以前のイベントレポートによると、歩くことに集中して自己を鎮める方法や、椅子に座った状態で行う坐禅、1日の疲れをとるための寝方などが紹介されたということだ。
「シンプルな自分」で就活に臨むために
「就活禅」公式ブログでは、坐禅についてこう説明している。
「不安やストレスに振り回されない、『シンプルな自分』に一番近づくことができる方法」
姿勢と呼吸を調えると、自然に心も調ってくるということだ。最近は、書籍やネットを通して自宅で坐禅の方法を学ぶこともできるが、指導者がおり、他の参加者と同じ時間を共有するとなると、身の入り方も違ってくる。
対象となるのは就活中、もしくは就活を予定している男女。定員は20人前後で、参加費は無料だ。就活のストレスを少しでも軽減する方法が見いだせるかもしれない。
曹洞宗総合研究センターでは、こうした就活生を対象にしたイベントを2012年から開催しており、同センターが運営する「就活生のための禅講座」ブログでも昨今の就活事情に言及する記事を投稿している。
仏教では「モノや恋愛に執着しないこと」が大切
就活というと学生はどうしても「頑張らなくてはいけない」と考えがちだ。だが仏教では、「頑張り過ぎることを良しとしない」と考える。就活禅のブログで引き合いに出されているのは「ギターの弦」だ。弦は、強く張り過ぎると切れてしまう。逆に、弦を緩めすぎてもいい音が出ない。
「良い音を奏でるためには、ほどよく弦を張り、チューニングをすることです」
「頑なに気持ちを張り詰めてばかりでは、たちまち精神的に疲弊してしまいます。何事もほどほどがたいせつなのです」
「就活禅」の対象になる今の大学3~4年生は、ちょうど「さとり世代」にあたる。購買意欲が低く、恋愛にも興味が薄いことについて批判されがちだが、「禅講座」ブログではこうした20代の若者を「仏教的な側面を持ち合わせている」と好意的に見る。
「世の中は思い通りにいきません。『さとり世代』に見られる、モノや恋愛に必要以上に執着しないことは、苦しみを生みだすことを防ぐためにも、仏教ではとても大切なのです」
「さとり世代」がNPO活動など、社会貢献に興味があることについても「僧侶と相通じるところがあります」としている。欲求が弱いといわれるさとり世代の就活生は、意外と仏教や坐禅と親和性が高いのではないだろうか。
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