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パワーが2戦連続のPP、佐藤琢磨は20番手/インディ第17戦ソノマ

2014年08月24日 17:10  AUTOSPORT web

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ベライゾン・インディカー・シリーズ第17戦ソノマは23日、公式予選が行われ、チーム・ペンスキーのウィル・パワーが今季4度目のポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(AJフォイト)は、20位だった。

 カリフォルニア州ソノマへとやって来たインディカー・シリーズ。今年は2デイ・イベントに変わり、土曜日にプラクティス2回と予選が行われた。

 午前10時スタートだったプラクティス1での最速はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が1分17秒7150でトップ。気温の上がった午後1時過ぎからのプラクティス2ではエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が1分18秒6582で最速だった。

 予選は夕方の4時35分に始まった。コンディションはプラクティス2とほぼ同じだった。2回のプラクティスでの総合順位を利用し、偶数順位がグループ1、奇数順位がグループ2に分けられ、予選のセグメント1(Q1)は行われる。どちらからもトップ6がQ2へと進む権利を得る。

 グループのトップタイムはジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)の記録した1分17秒7653だった。2番手にライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)が1分17秒7699と僅差でつけた。ランキング2番手につけるカストロネベスは3番手で悠々とQ1を通過。以下、4番手はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、5番手はルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)、6番手は同じくルーキーのミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)だった。

 6番手でギリギリQ2へと進んだアレシンは、セッション開始からレッド・タイヤで走り、10分間の予選の中でピットでセッティング変更を施していた。ブラックで走り出して感覚を掴んでかれレッドへ、というセオリーとは違った作戦だが、見事に成功させていた。その一方で、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)は7番手、アレシンの先輩チームメイトであるサイモン・ペジナウ(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)は8番手でQ2進出を逃した。今季2勝のマイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)、そして今季1勝のルーキー、カルロス・ヒュータス(デイル・コイン・レーシング)もQ1での敗退を喫した。ランキング3位につけ、まだ大逆転でのタイトル獲得のチャンスを持つペジナウとしてはQ1敗退、予選15位は大きな痛手だ。

 グループ2は11人全員がブラック・タイヤで走行開始。1ラップか2ラップのアタックを終えてピットに戻り、レッドへのスイッチを行った。ブラックタイヤ使用でのアタックではトップがウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、2番手はトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。3番手にチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)がつけ、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)が4番手。佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は5番手で、6番手はハンター-レイだった。

 予選時間が4分となって琢磨はレッドでコースイン。セバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)が続いた。琢磨のアタックは1ラップ目が1分18秒4440で、2ラップ目はそれより僅かに良い1分18秒4104だった。ブラックからの短縮度合いが小さかった。
 ライバルたちはというと、ブルデーはアタック1周目に1分17秒6653をマークしてトップに立ち、キンボールも17秒台に突入。カナーンが1分17秒6983を出して2番手につけた。そしてその後、パワーが1分17秒2393を叩き出し、「コレで充分」とばかりにピットロードに滑り込んだ。今日のプラクティス1で最速だったハンター-レイは1分17秒6810で3番手に食い込み、ヒンチクリフ藻1分17秒9119をマークして5番手へと飛び込んだ。キンボールはギリギリ6番手でQ2へ駒を進めた。
 2週間前に事前テストを行ったというのに、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は1分18秒1249のベストで7番手止まり。Q1敗退という結果を得るにとどまった。以下、ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)が8番手、ルーキーのジャック・ホークスワース(BHA/BBM・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)が9番手で、琢磨は10番手で、予選結果は20位と決まった。

「ブラックで走った時点では5番手と悪くない位置につけることができていたんですが、レッドでのタイムの縮まり方が小さかった。グリップがまだ少なく、思い切りアクセルを踏んで行けていなかった」と琢磨は話していた。

 Q2に進んだのはシボレー・エンジン勢7人と、ホンダ勢5人。直前の事前テストを行っていないメンバーの中からブルデイとアレシンがトップ12入りを果たした。ルーキーで、しかもテストなしでQ2に進んだアレシンのパフォーマンスは高く評価されるべきだ。

 Q2ではブラックでセッティングやコースを確認する者8人と、一発勝負に懸けてピットで待機する者4人の二派に分かれた。10分の予選が残り4分半となった時、レッド・タイヤで最初にコース・インしたのはカストロネベスだった。彼はアタック1周回目で1分17秒4529をマーク。トップに立った。しかし、これをQ1のグループ1でトップだったニューガーデンが1分17秒2851という素晴らしいラップで逆転してトップに躍り出、そのままピットへと戻って来た。2番手タイムとなる1分17秒3375を出したのはディクソン。3番手はヒンチクリフで、カストロネベスは4番手。パワーは5番手で、6番手にはブリスコーが来た。7番手となってファイアストン・ファスト6入りを惜しくも逃したのはブルデイ。カナーン、ムニョス、ハンター-レイもQ2で予選終了となった。

 ファイナルに進んだ6人は、ユーズドのレッド・タイヤで二度のアタックを行った。Q2最速だったニューガーデンは1分18秒2844と最初のアタックが不発に終った。それに対してパワーは幾つものコーナーでマシンをスライドさせ、ステアリングでの修正も多く行いながらも1分17秒4126という驚異的ラップタイムを記録した。この後にディクソンとヒンチクリフが17秒台に入り、2、3番手となった。パワーはトップをキープした。

 2回目のアタックでニューガーデンは1分17秒7318。パワーは2回目のアタックでは17秒台を出せなかったが、今季4回目のポールポジションを獲得。ニューガーデンはキャリア・ベスト・タイの予選2位となった。今シーズンのテキサスとミッド・オハイオで彼は予選2位になっているが、ポールポジションは未だ獲得に至っていない。パワーのPPはキャリア36個目で、インディカーで歴代6位にランクされる。先週のミルウォーキーから2戦連続のPP獲得。そして、ソノマでのPPは通算4回目となった。
 予選3位はディクソンのものとなった。以下、4位はヒンチクリフ、5位はブリスコーで、カストロネベスはファイナル進出こそ果たしたものの、アタック・ラップでシケイン進入時のブレーキングをミス。1分18秒8771のベストしか出せずにトップ6での最下位の6位となった。

 パワーはPPのボーナス1点を追加し、カストロネベスとのポイント差は40点となった。「このコースではパスが難しいのでポールからのスタートは有利だ。PPを目指せば、レースで勝つ可能性が増える。その狙い通りに物事は進んでいる。グリッドが前の方であるほどプレッシャーも小さくなる。しかし、明日も僕はタイトルのことをではなく、自分のなすべきことに全神経を集中して走るのみだ。まだまだ残り2レースで獲得可能なポイントは多く残されている」とパワーは語った。カストロネベスは、「ウィルが1点を獲得した。もうそれは変えようがない。明日のレースではダメージをできる限り小さくしなければならない。全力で走り、ひとつでも上位のポジションでフィニッシュすることを目指す」とコメントした。