前戦ハンガリーGPで、ケータハムのリヤウイングに貼られた「We Love 麻衣」のステッカー。麻衣さんは「何らかの形で応援したい」と語った 小林可夢偉のベルギーGP欠場というニュースは、日本のファンに大きな衝撃を与えた。日本だけでなく、スパ・フランコルシャンのパドックでも、筆者は「今、可夢偉はどうしている?」、「今後、可夢偉はどうなるのか?」と多くの関係者から声をかけられた。
可夢偉を心配する声は、日本からも寄せられた。その中のひとつに、ハンガリーGPで可夢偉をサポートした「麻衣」さんからのメッセージもあった。当初、麻衣さんから寄せられたメッセージはプライベートなものだったこと、そして彼女がメディアに出過ぎることに対して不安を感じていたため、公表を差し控えていたが、「可夢偉選手に頑張って欲しいという思いを伝えることの方が今は大切」との判断から、公表することに応じてくれた。
以下が麻衣さんから寄せられたメッセージである。
「ハンガリーGPの後、可夢偉選手が語ってくれたメッセージを見ました。私は天使ではないけれど(笑)、私の気持ちが可夢偉選手に届いて嬉しいです。
今回のベルギーGPが行われるスパ・フランコルシャンは可夢偉選手が好きなコースで、しかも待ち望んでいた新しいパーツも届き、私も皆さんと同様、可夢偉選手がベルギーGPでどんな走りを披露してくれるのかをとても楽しみにしていました。それなのに欠場というニュースを聞き、本当に残念で仕方ありません。
それでも諦めずに、前を向いて戦おうとしている可夢偉選手のコメントを見て、また勇気をもらいました。そしてますます鈴鹿で緑に揺れるスタンド前を走る雄姿を見たいと思いました。だから、できることなら、可夢偉選手が日本GPに出られるよう、何らかの形でまた応援したいと思っています。そして、これを機会に、私だけでなく、もっと支援の輪が広がってくれたらうれしいです。
可夢偉選手が諦めないなら、私たちファンも絶対諦めないし、応援し続けています。サーキットで戦う可夢偉選手が見られる日が来ることを待っています」
今回、新しくなったリヤウイングには、ハンガリーGPで付けられていた「Forever with Mai」、「We LOVE 麻衣」のステッカーは貼られていなかった。それは、可夢偉がハンガリーGPに出場できたのは、あのサポートがあったからなのかもしれないということを意味している。そして、そのサポートがある限り、可夢偉にはまだチャンスはある。8月23日、予選が終わったスパ・フランコルシャンのメディアセンターに、可夢偉からメッセージが届いた。
「レースに出走しないことは、8月20日の水曜日にケーターハムのファクトリーでシミュレーターに乗っている時に、マネージメント担当に呼ばれ、(チーム代表の)アルバースから伝えられました。もちろん、ベルギーGPに参加できないことは、自分自身としては納得できない部分はあります。が、今のチームの事情はよく理解しているので、今回は受け入れることにしました。
その後、8月20日中にはコースから5分ほどのところにあるスパのホテルに入り、何が起こるかわからないので金曜日午後のフリー走行が終わるまでスタンバイしていました。僕自身は常にレースをするつもりで、準備をしています。
今回レースに出られず、応援してくださるファンの皆様に対して、本当に申し訳ないという気持ちです。今後のことについては、引き続きチーム側と話をしています。ただ現在お話しできることはありません。
鈴鹿での日本GPについては、僕にとって特別なGPですので、走りたい気持ちはどのGPよりも強く、その準備をしています。もちろん、自分の気持ちだけで決まることではありませんが、日本のファンの皆さんの前で、レースができるよう最大限の努力をしています。
ファンの皆様にはカムイTVや応援サイトを通じて、改めてお話ししたいと思っています。メディアの皆様におかれましても、この状況をご理解いただき、今後ともご支援をよろしくお願いします」