ベルギーGPでF1デビューを果たすことが決まったアンドレ・ロッテラーが、このチャレンジを引き受けるには勇気が必要だったが、スーパーフォーミュラやWECでの経験が自信につながったと語った。
ケータハムは20日、ベルギーGPの週末に小林可夢偉の代わりにロッテラーを走らせることを正式に発表した。
ドイツ出身32歳のロッテラーは、WEC、スーパーフォーミュラ(フォーミュラ・ニッポン)、スーパーGT(JGTC)でタイトルを獲得した経験を持ち、ル・マン24時間では3回優勝している。
チームはロッテラー起用の声明において、「彼は経験あるドライバーであり、週末を通してその力を借りることになる。彼のフィードバックはマシンパフォーマンス向上に役立つだろう」と述べ、期待を示している。
ロッテラーはケータハムのマシンに金曜フリープラクティスで初めて乗ることになるが、今週シミュレーターを使う機会はあったという。
「いろんなことをすべてすばやく学ばなければならない。だから僕にあまり期待しすぎないでほしい」とロッテラーは木曜、ベルギーのパドックで語った。
「F1はマシンで(結果が)決まる部分が大きい。残念ながら僕らのマシンには勝つ力はない」
「でもアップデートされたパッケージが持ち込まれるから、自分の経験と速さをできるだけ早く役立てたい」
「ここでレースをするようケータハムから求められた。僕の個人的な興味や楽しみのためだけに走るのではなく、ベストを尽くしてチームを助けたいと思っている」
「まずはミスなく週末を過ごすことを目指すが、いい結果を出せるチャンスがあれば必ず実現する」
ロッテラーは、ケータハムでのF1参戦が自分のキャリアに傷をつけることにはならないと考えている。
「普通の状況ではないのだし、他のカテゴリーで勝利の経験があるから自信を持ってこう言える。『OK、アウディや日本でキャリアを確立しているから、今回のことで失うものはさほどない』ってね」
「(F1で)走るというのは特別なチャンスだ。こんな風に乗れるチャンスは誰にでも訪れるわけじゃない」
「だから『機会が訪れたんだ、やってみよう』と思った」
スーパーフォーミュラやWECでの経験がF1にチャレンジする自信につながっているとロッテラーは述べた。
「大きなチャレンジだ。こんな風にシーズン途中で急に乗るなんて、かなり勇気が必要だ。でも準備は整っていると思った。一番の理由は今スーパーフォーミュラでレースをしているということだ。このシリーズはF1以外のシングルシーターでは最速の部類に入る。だから自分はフォーミュラのレースで戦えるコンディションだと思った」
「それにアウディとのWECではとても複雑なマシンでレースをしている」
「前回F1マシンで走ったのは(ジャガーF1のテストで)10年以上前のことだ。あれからF1は変化し進化した。でも僕の方もその間、たくさんの経験を積んできた」