大手AVメーカーのソフト・オン・デマンドグループ(SOD)が、AV制作現場で働くスタッフに向けた応援歌を発表した。現在、特設サイト上でミュージックビデオが公開されている。
男性ボーカルによるヒップホップ調の楽曲で長さは4分半。歌詞のテーマはAV現場での過酷な長時間労働だ。また、この動画は7月に発売された同社の全タイトルにも収録されているようだ。
冒頭にお断り「あくまでフィクションとして」
動画には現場で頑張る男性スタッフが登場する。機材のセッティングのほか、撮影で使う女性用下着を干したり、上司に土下座したりと大変そうだ。
「寝ないが正義、鬼畜社畜貯蓄ゼロでノーマネーオッかねえ」
「ティッシュ常備し、タオルを完備、夜な夜なローション仕込み」
前向きなメッセージで社員を鼓舞する社歌はたくさんあるが、労働環境の悪さを強調したものは珍しい。ブリーフ姿の男優も印象的だ。
「ド、ドっ、ドどっと同僚休職、退職、離職者上昇」
「ブラック、ブラック、ブラックカンパニー、死ぬまで働こうぜ社畜諸君」
冒頭で「実際の労働環境、労働条件と異なる点も多々ありますので、あくまでフィクションとしてご覧ください」と説明しているので、そのままではないのだろう。ただ、笑い飛ばすには、ちょっとシャレがきつすぎると感じる人もいるかもしれない。
この動画と楽曲は、同社のアルバイトスタッフが制作した。この男性は、米国の名門バークリー音楽大学を卒業し、ミュージシャンを目指していたが挫折。その後同社でアルバイトADとして働く中で、過酷な現場で働くスタッフのことを歌にしたいと考えた。
今回の「SODグループAV制作者応援歌」は、ウェブサイトから楽曲をダウンロードが可能で、著作権もフリーだ。ネットには「あまりによくできてて、感動やったわ」と好意的な感想も見られる。
SODが運営する女性向けサイト「GIRL'S CH」では、動画に登場するイケメンAV監督の野本義明氏について、「ほんとに素敵!!」「野本監督がcuteです」といった声も出ていた。
DVDを再生すると「スキップできない!?」
ただ、この動画が7月に発売された同社の全タイトルに収録されており、本編が始まる前に流れるとスキップできないという書き込みが複数流れると、ネットには批判の声もあがり始めた。ツイッターにはDVDを買った人から、
「お前らの気持ちの押し付けは知らねえよ?! 毎回DVD最初に入っていたらイライラするわ(怒)」
という投稿があがった。漫画家の新田五郎さんもブログで、少なくとも自分のプレイヤーでもスキップできないと訴える。さらには、制作現場が過酷であることは購買者にとっては「どうでもいい話」としたうえで、
「『会社への愚痴を歌にした』というのなら、それは社内のパーティーか何かで流すべきで、外部の人間に見せるべきものではない」
と憤っている。同社のサイトには「私達だけでは勿体ない!」「皆に聞いて欲しい…!」と、応援歌への思いが綴られていたが…。ワクワクしながら再生ボタンを押した人に、冷や水を掛けるような行為は非常に危険というべきだろう。
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