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ブラック企業大賞に福島みずほ氏登場 「派遣法をぶっつぶす!」と意気軒昂

2014年08月22日 11:10  キャリコネニュース

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ブラック企業の頂点を決める「第3回ブラック企業大賞」のプレイベントが2014年8月8日、阿佐ヶ谷ロフトAで開催された。ノミネート企業を選定した実行委員会のメンバーが登壇し、選定理由やブラック企業問題について議論を交わした。

イベントの半ばになって、参議院議員の福島みずほ氏(社民党)と、吉良よし子氏(共産党)がゲスト登壇。アベノミクスによる労働規制緩和の流れや、現状の非正規雇用の実態などについて、持論を展開していた。

「社員を一生大事にしなくなった」企業を批判

福島氏の批判の槍玉に挙がったのは、政府・産業競争力会議の民間議員などを務め、政府への影響力を取り戻した竹中平蔵氏だ。

産業競争力会議では、いわゆる残業代ゼロ法案や労働者派遣法の改正など、労働者にまつわる規制緩和について議論され、今国会でも審議されている。福島氏は「もう一度、新自由主義の風が吹き荒れる」と危機感を表明する。

「竹中平蔵氏は(人材派遣会社の)パソナの会長。もう一度派遣業界が跳梁跋扈し、自民党政権のもとで規制緩和されようとしている。帰ってきた新自由主義と戦わなければならない」

これには出席者からも拍手があがった。吉良氏も、非正規雇用が拡大することと、ブラック企業が増えることは表裏一体とし、政府の責任を追求する。

「(非正規雇用を利用する会社は)『代わりはいくらでもいる』と長時間・低賃金労働をさせている。政府がやろうとしている、ブラック企業をOKとする改悪は絶対に許さない!」

また福島氏は、今秋の臨時国会で労働者派遣法の改正が大きな目玉として議論されると見る。これまで企業は、専門26業種以外は3年を超えて派遣社員を受け入れることができなかったが、改正案では業種に関係なく3年ごとに人を交代すれば、派遣社員を恒久的に使うことが可能になると批判する。

「企業は、社員のことを一生大事にしなくなった。派遣社員は一生派遣で、正社員への道が閉ざされてしまう。まるで『正社員ゼロ法案』じゃないかと。この改悪法案は必ずぶっ潰してやりたい」

長時間労働の是正「超党派で踏み込んでいきたい」

一方で今通常国会では、過労死防止法が全会一致で成立したが、福島氏によると、この法律の成立には、過労死した労働者の遺族たちのロビー活動の貢献が大きかったという。

「遺族たちは、今後の有識者協議会にも参加することになっている。そこから対策案などが出てくれば、それをテコに長時間労働の規制など労働法制に超党派で踏み込んでいきたい」

さらに吉良氏は、共産党が提出し長時間労働の是正などを盛り込んだ「ブラック企業規制法案」も継続審議となったことを紹介。働く環境を改善しようという機運が、国会内で少しずつ盛り上がりを見せていると語気を強めた。

「長時間・低賃金労働がはびこっていることが問題なのに、政府のやろうとしていることは真逆。ブラック企業の手口をひとつひとつ潰していきたい」
「ブラック企業大賞も3回目を迎えるなど『ブラック企業は許さないよ』という世論が盛り上がる中で、継続審議は勝ち取った1つの成果なんじゃないかと思う。まともな時間で働いて、まともな給料が貰えて、人間らしい働き方ができる社会を追求していきたい」

福島氏も「過労死防止法の次のステップは、長時間労働の規制。これを超党派でやりたい」と同調した。ブラック企業大賞への投票は9月5日までウェブサイトで受け付けており、授賞式は翌6日に行われる。

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