世間はお盆の真っ最中。サービス業に従事する人たちの中には、今が一番の繁忙期という人も多いだろう。中には理不尽なクレームに、嫌な思いをしている人もいるかもしれない。
キャリコネが8月10日に配信した「逆にウザい」と言われた日本の過剰サービスを取り上げた記事には、ニコニコニュースで700件以上のコメントが集まった。コメント欄には批判された「店員側」の反論が噴出している。
「無言で対応されたら文句言うくせに」
客側の読者からは、「確かにウザい過剰サービスがある」と共感する声が挙がっている。店側の常識だけで考えられたサービスの中には、客側には必要ないだけでなく、不快になるものもあるというのだ。
「某ピザ屋の宅配係がやたら丁寧なのに違和感…」
「やたらうるさいラーメン屋は行きたくない。静かに食わせろッて思うわ」
「服を買うときに、店員に追いかけまわされるのがイヤ」
アパレルショップなどで店員が「お似合いですよ~」「お目が高いですね~」と声をかけるのは、「サービスじゃなくて営業」なので不要という人もいた。
しかし、店員側からすれば、「客を良い気持ちにさせようとする」のは仕事であり、当たり前という意見もある。現にサービス業で働く人たちには、「過剰」だと言われることに不満を持つ人もいるようだ。
「かといって、褒め言葉のひとつのなくお辞儀もされず、無言で対応されたらされたで文句言うんでしょ?」
「仕事だもの、仕方ないだろ? やらなかったら、空気悪いだの文句言ったりするくせによ!」
お客が来たのに黙っていては、サービス業では0点どころかマイナスだ。サービス業においては、売り上げを伸ばす「セールス」と、お客に気分よく用事を済ませてもらう「サービス」、それに「クレーム対策」が一体になった接客が行われているようだ。
マニュアルは「低レベルな客」に合わせざるをえない
12日にキャリコネが公開した記事にも、サービス業と「クレーム対策」に関するコメントが100件以上寄せられた。若い店員が「結婚指輪」をしていたことに腹を立て、ある女性客が「いい気分で買い物できなかったから、外させろ」と苦情の電話を入れたきたそうだ。
ニコニコニュースでは「ただのモンスタークレーマー」は相手にするな、など店員を擁護する意見が多かった。しかし「そんな方に絡まれずに済むなら仕事中は外したほうが良いのでは」と、店員側の対応を求める声もある。
クレーマーとの面倒事を避けるようとすれば、サービスはどうしても過剰になりがちだ。会社がリスク回避のために過剰サービスをマニュアルに盛り込めば、普通のサービスを求める「善良な客」は犠牲にせざるを得ない。
「店員だって経営者に言われて仕方なくやってるだけ」
「やらなかったら、愛想よくないとか、クレーム来るんだもん」
「低レベルな奴らに合わせるのが今の日本」
お客様は神様です、という言葉が独り歩きして、「お金を出せば偉い」と勘違いしている客が増えている、と指摘する人もいた。
「店側に『おもてなし精神』求め過ぎな客が増えたんじゃないかな。バイトしてた時、『お客様は神様根性』丸出しなお客は結構いた」
不景気が長く続いたために店の立場が弱くなり、そこにつけこむ不寛容な客が増えてしまったのだろうか。うるさい客に怒鳴られないために、先回りして気を使うのが「おもてなしの国」だとすれば、少し息苦しすぎる感じがしてしまう。
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