8月22日~24日に開催されるF1ベルギーGPに向け、三度のル・マン24時間ウイナーでスーパーフォーミュラ、スーパーGTで王座経験をもつアンドレ・ロッテラーが小林可夢偉に代わってケータハムをドライブするという噂が浮上した。8月22日発売のオートスポーツNo.1388(電子版はすでに発売中)では、日本国内で活躍する複数の外国人ドライバーの証言をもとに、今ケータハムで何が起きているのかを報じている。
すでに多くのF1ファンならご存知のとおり、ケータハムF1チームは7月にスイスと中東の投資家グループに売却された。その後チームは、かつてスパイカー等で活躍した元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースを代表に据え、過去にMF1やフォース・インディア、HRT F1で代表を務めてきたコリン・コレスが実質的にチームの切り盛りを行っていくことも公にされた。
コレスは、チームの資金が潤沢ではないことを明言しているため、可夢偉に対してもスポンサーフィーを要求しているであろうことは想像がつく。一方で、コレスは世界中の縁があるドライバーに、シートを“売り"に出していたようだ。
このロッテラーの名が浮上する前の段階で、オートスポーツが国内レースの現場で取材を試みたところ、実際にオファーを受けた外国人ドライバーが複数人いた。その内容は単に金曜FP1の走行だけに限ったものなのか、それともレースまで含まれたものなのかは分からない。ただ彼らにも守秘義務があるため匿名で、なおかつ詳細までは話さないという条件で、コレスからオファーがあったことを明かした。
これらの外国人ドライバーの証言は本誌に譲るが、今回ロッテラーの名が浮上してきたことはこれらのオファーで合点がいく。ロッテラーは2009年、チーム・コレスからアウディR10 TDIをドライブしル・マン24時間に初挑戦。コレスとアウディはこの前からDTM等でも繋がりがある。
コレスは過去に自らが代表を務めたチームでも、多くのドライバーを交代させたり、テストドライバーに起用したりという方法を用いてきている。今回の噂もその一環かもしれない。ただ、コレスからの電話を受けたある外国人ドライバーは本誌にこう語った。
「もちろん条件が折り合うことが前提だけど、もし自分がケータハムからF1に出ることで、可夢偉が乗れなくなってしまうとすればそれは本望じゃない。日本でレースをしている僕は、多くのファンが可夢偉を応援していることを知っているからね。ただ、正直、自分も一度はF1で自分を試してみたい気持ちがある。だから複雑なんだ」
ロッテラーは今週末、ツインリンクもてぎにいるのか。それともスパ-フランコルシャンにいるのか。そしてゆれる可夢偉の未来は……!? 日本のファンにとってはここ数日の動向から目が離せなさそうだ。