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「ドラえもんのケーキを作って!」ケーキ屋さんに注文したら「著作権法違反」なの?

2014年08月13日 10:51  弁護士ドットコム

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「キャラクターケーキ承ります」。ケーキ屋でこのような宣伝文句を目にしたことがある人もいるだろう。少々値は張るが、好きな絵を使ってケーキを作ってもらえるサービスだ。


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たとえば、子どもの誕生日パーティーに、人気アニメのキャラが描かれたケーキを出せば、目を輝かせて喜んでくれるに違いない。



しかし気になるのが、著作権の問題だ。ケーキ屋さんに頼んで、ドラえもんやアンパンマンなどのアニメキャラを描いてもらうことは、著作権法上、問題ないのだろうか。桑野雄一郎弁護士に聞いた。



●キャラの絵を描くのは「複製」にあたる


「キャラクターのイラストや写真は、『美術の著作物』として、著作権法で保護されています。



そうしたイラストをケーキ上に描くなど、キャラ絵を利用してケーキを作ることは、著作権法上『複製』に該当し、複製権の侵害となってしまいます」



複製行為には、基本的に、著作権者の許可が必要ということだ。家庭でつくる「キャラクター弁当」もダメなのだろうか?



「親が、子供のためにキャラクターを描いたお弁当やケーキを作ることは、家庭内での使用のための複製となり、著作権法の例外規定である『私的使用目的』の複製に該当します。私的使用の範囲内であれば、複製権侵害とはなりません。



恋人や親しい友人のために、個人的に作ってあげることも、少し微妙ですが、同様に複製権侵害にはならないと考えてよいでしょう。



しかし、私的使用目的の複製は、あくまで自分で複製をすることが前提です。したがって、このような目的があっても、ケーキ屋に依頼をして作ってもらう場合は、例外規定の適用はありません」



さらに、自分で作った場合でも、注意すべき点があるという。



桑野弁護士は「私的複製にあたる場合でも、つくったケーキの写真をホームページやSNSに投稿したりすれば『公衆送信権の侵害』となり得ますので、注意が必要です」と警鐘を鳴らしていた。



もし、子どものために、見事な「キャラクターケーキ」が作れたとしても、その感動は直接見てもらえる範囲で分かち合うのがよさそうだ。


(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
桑野 雄一郎(くわの・ゆういちろう)弁護士
骨董通り法律事務所。島根大学法科大学院教授。「外国著作権法令集(46)-ロシア編―」(翻訳)、「出版・マンガビジネスの著作権」(以上CRIC)、「著作権侵害の罪の客観的構成要件」(島大法学第54巻第1・2号)等。
事務所名:骨董通り法律事務所
事務所URL:http://www.kottolaw.com