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世界ラリークロス・カナダ戦、ペターが一番乗りで2勝目マーク!

2014年08月10日 08:00  AUTOSPORT web

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待望の今季2勝目を決めたペター。フィニッシュ直後は、マシンのルーフに上がり何度も飛び上がって喜びを表した。
今季からFIA世界戦に昇格した世界ラリークロス選手権は、第7戦が、初めてのヨーロッパ外ラウンドとなるカナダ戦として8月8日、トロワーリビエラのストリートサーキットで開催。今季ここまでの6戦すべてで勝者が異なる混戦となっていたが、開幕戦で史上初の世界戦ラウンドで勝利を決めていたペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)が、初めて訪れるカナダのファイナルで完全勝利。一番乗りで今季2勝目をマークし、タイトル争いでも一歩抜け出した。

 会場ではこの週末、様々なモータースポーツイベント、グランプリ・トロワリビエラ(GP3R)が開催されており、その一環として組み込まれた世界RX戦は、通常の世界RX戦とは異なり4回のヒート、セミファイナル、ファイナルのすべてを一日で行う強行スケジュールで行われた。

 一方、カナダが誇る元F1チャンピオン、ジャック・ビルヌーブ、インディカーで名を馳せたパトリック・カーペンティアなどスタードライバーもエントリーし、RX会場は3万人を超える観客を集めた。ビルヌーブは燃料タンクのトラブルでセミファイナル敗退となったが、カーペンティアはファイナルに進出するなどイベントを大いに盛り上げた。

 今季2勝目を狙ってカナダ入りしたペターは、ヒート1、3、4でトップタイムをマークし、中間リザルトで最大ポイントを獲得。セミファイナルでもトップ通過を果たし、ポールポジションからファイナルをスタートした。

 陽が落ちかけるころにスタートを迎えたファイナル、出だしは今ひとつだったペターだったが、スタートから続くストレートの後半で追い上げると、ギリギリのブレーキングで第1コーナーをトップで通過してモンスターエナジー・スーパーチャージ賞を獲得。その後は、タイトコーナーが多いコースでターンの度にブレーキングの妙技を見せてその差を一気に広げていく。4ラップ目で入ったジョーカーラップも余裕でクリアすると、一度もトップの座を明け渡すことない完璧な走りで今季2勝目を決めた。

「今は最高にうれしいけど、今日は苦難の連続だったんだ」とペター。「今日の午前は調子がよくなく、ベルギーと同じようなトラブルが出ていた。でもメカニックががんばってくれた。今日の勝利は彼らのおかげだよ。2つの世界タイトルを手にする最初のドライバーになることをずっと目指してきた。その夢が少し近づいたよ。でもまだ5戦あるからね」

 2位には、この日すべてのヒートでトップ5に入り、ファイナルでもペターに並ぶフロントローに並んだアントン・マルクランド(VWポロ)、3位にはティマール・ティマラザヤノフ(プジョー208)が続いた。ペターとタイトル争いを展開していたレイニス・ニッティス〔フォード・フィエスタST)はファイナル4位、トーマス・トッピ・ヘイッキネン(VWポロ)は5位だった。

 この結果、ドライバーズ選手権では、ペターが155ポイントでリードを20ポイントに広げ、ヘイッキネン(135pt)、ニッティス(133pt)が追いかける形となっている。一方、チームズ選手権では、フォルクスワーゲンのワークス支援を受けるマルクルンドとフォードのワークス支援を受けるフォード・オルスベルグが246ポイントで同率首位に並んだ。