スーパーGT第5戦は9日、富士スピードウェイで公式予選が行われ、途中雨が降り出す中、天候を味方につけKEIHIN NSX CONCEPT-GTがポールポジションを獲得。ホンダNSXコンセプト-GTが今季初PPとなった。GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORTがポールを獲得している。
Q1:
台風11号が接近する中、天候が危ぶまれる中で迎えたスーパーGT第5戦富士の予選。ただ昼頃にサーッと雨が降ったものの、概ねドライのまま14時からGT300クラスの予選Q1がスタートした。まずは13台が進出できるQ2に向けて、各車がアタックを展開していく。まずはARTA CR-Z GTが1分38秒344というタイムをマークし、これをターゲットとして続々とアタックが展開されていった。
ARTAに対抗していったのは、同じCR-ZのMUGEN CR-Z GT。それにシンティアム・アップル・MP4-12Cが続いていく。最終的にこのトップ3は動かず、GAINER Rn-SPORTS SLSが4番手、OKINAWA MSA・RUN UP GT-Rが5番手となった。
一方、前戦表彰台のマネパ ランボルギーニ GT3やAudi R8 LMS ultra、またランキング2位のGAINER DIXCEL SLSといったところがQ1ノックアウトを喫している。
続いてスタートしたGT500クラスのQ1。ただ、雨が降らないためかコースオープン後も各車ピットでステイ。残り8分ジャストとなったところで、各車が一斉にピットアウト。ウォームアップを行っていく。しかし、このタイミングでGT300クラスのグリーンテック SLS AMG GT3がピットレーン入口でストップしていたため、ウォームアップ1周後赤旗が提示された。
今度は残り10分間で再開となったGT500のQ1だが、今度は残り9分で少しずつ各車がコースインしていく。まずは午前中トップタイムのウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTを駆るフレデリック・マコウィッキが、1分30秒061をマーク。続いて各車計測2周目でベストタイムを記録していく。
相次いでタイムがマークされる中、ウイダーのタイムをかわしたのはオリバー・ジャービスが駆ったDENSO KOBELCO SARD RC F。最終的にDENSOがトップでQ2に進出、松田次生がタイムを上げたMOTULが2番手、ウイダーが3番手という結果に。Q2進出はGT-R、RC Fが2台ずつ、NSXが4台と、NSX勢の復調を示す結果となった。
燃料リストリクターが絞られているランキング上位の車両は、MOTULをのぞくといずれも苦しい結果に。また、今回速さをみせるのではないかと思われたS Road MOLA GT-Rは、まさかの最後尾に沈んでしまった。
Q2:
10分間のインターバルを経てスタートしたGT300クラスの予選Q2。コースオープンから各車が積極的にアタックを展開していくが、それもそのはず。少しずつコース上の各所で雨が舞い始めたのだ。
残り4分というところで続々とタイムが更新されていくが、ここでトップタイムをマークしたのは佐々木孝太駆るSUBARU BRZ R&D SPORT。次いで中山友貴のMUGEN CR-Z GT、ルーカス・オルドネスがドライブするB-MAX NDDP GT-Rが続く。
しかし、直後新田守男が駆るOGT Panasonic PRIUSが1分38秒414というタイムをマーク! トップに躍り出るが、佐々木駆るBRZが翌周1分38秒414へ! なんとプリウスとBRZがまったくの同タイムとなり、サーキットは大いにどよめいた。
ただ、佐々木はさらに翌周タイムを刻んでいき、1分38秒256までタイムアップ。これで佐々木&BRZがポールポジションを獲得し、プリウスが2番手に。MUGEN CR-Z GTが3番手、ARTA CR-Z GTが4番手と、JAF-GT300車両がトップ4を占める結果となった。FIA-GT3勢の最上位はB-MAX NDDP GT-Rの5番手となった。
続いてスタートしたGT500クラスの予選Q2だが、と同時にコース各所に雨が降り始める。各チームコースオープンとともに一気にコースインし、極力スリックでアタックするべく1周のウォームアップの後アタックを展開していくが、一気にコースはスリッピーに。1コーナーやダンロップコーナー等で多くの車両がコースアウトする。
その状況を見たか、PETRONAS TOM'S RC Fとウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTがピットイン。PETRONASはすぐにピットアウトするが、ウイダーはピットアウトに手間取ってしまう。スリックでアタックを続けるMOTULも毎周タイムを落としていく。
そんな中、真っ先にウエットに交換したPETRONASは、ウォームアップ完了とともにあっという間に首位MOTULのタイムを10秒上回る。これでほとんどの車両がウエットタイヤでのアタックとなっていくが、続々とタイムが更新されていく中でポールポジションを奪ったのは、少しずつ雨が止んでいく中、スリックでステイし続けチェッカー周で大逆転をみせた塚越広大駆るKEIHIN NSX CONCEPT-GT! 天候も味方につけ、ついに今季辛酸を舐めてきたホンダNSXコンセプト-GTに初ポールポジションをもたらした。
2番手は燃料リストリクターダウンをものともしない走りをみせたMOTUL AUTECH GT-R。3番手にビタントニオ・リウッツィが好走をみせたARTA NSX CONCEPT-GTがつけ、4番手はRAYBRIG NSX CONCEPT-GT、5番手はDENSO KOBELCO SARD RC Fという結果に。NSX勢はトップ6中4台を占め、ついにその実力を発揮し始める結果となった。