スーパーGT第5戦は9日、富士スピードウェイで午前9時から2時間の公式練習が行われ、GT500クラスはウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTがベストタイムをマーク。GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORTがトップとなり、ミシュラン装着車が両クラスともトップとなっている。
台風11号が西日本に接近する中、どんよりとした曇り空で迎えたスーパーGT第5戦の予選日。午前9時からスタートした2時間の公式練習はドライコンディションで迎えたものの、午後には雨の予報も出ており、チームスタッフも気を揉む中での走行開始となった。
5月の第2戦富士からは勢力図も少しずつ変化しつつあるスーパーGT。GT500クラスでは第4戦からホンダNSXコンセプト-GTの性能調整が変更されたほか、第5戦からニッサンGT-RニスモGT500が、今季に限り年に一度できるとされる“ジョーカー申請”によりマシン改良を実施。前後ホイールハウスにモディファイが加えられた。
そんな中、公式練習は各所でコースアウト等は見られるものの、大きなアクシデントはなくセッションは推移。ただ、開始から1時間20分過ぎに前戦SUGOで優勝を飾ったZENT CERUMO RC Fがセクター3でストップ。車両回収のため赤旗が提示された。
この赤旗以外は、大きなアクシデントもないまま終盤10分間ずつのGT500クラス、GT300クラスの専有走行へ。この時点でGT300クラスではミシュランタイヤを履くSUBARU BRZ R&D SPORTがトップだったが、それに続き多くのマシンがタイムを上げていく。
この10分間の中で、2番手に飛び込んできたのはアンドレ・クート駆る国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DR。また、GT500の走行開始とともにMUGEN CR-Z GTが3番手へ。シンティアム・アップル・MP4-12C、B-MAX NDDP GT-Rが続くトップ5となった。また、前戦ポールポジションのGAINER Rn-SPORTS SLSも7番手につけており、タイヤメーカー同士の戦いも拮抗している様子だ。
続いてスタートしたGT500クラスでの専有走行でも続々とタイムが塗り替えられていく中で、残り1分30秒というところでベストタイムをマークしたのは、山本尚貴駆るウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT。少しずつポテンシャルを増すNSXと、夏場に強いミシュランの組み合わせとなるウイダーが、公式練習をトップで終えた。
2番手につけたのは、オリバー・ジャービスのドライブでアタックしたDENSO KOBELCO SARD RC F。3番手には燃料リストリクターを装着しながら好走をみせたMOTUL AUTECH GT-R。MOTULは今回、100Rやヘアピン等で激しく火花が上がっており、“ジョーカー”によるマシンの変化を感じさせている。
また、4番手には今回“本命”の一台と目されるPETRONAS TOM'S RC Fが続き、5番手には鈴鹿タイヤメーカーテストで好走、ドライで大いに自信を深めているEpson NSX CONCEPT-GTがつけた。今回、PETRONASとともに優勝候補の一台と言えるS Road MOLA GT-Rは、序盤なかなか走行できず14番手にとどまった。
スーパーGT第5戦富士はこの後、14時から公式予選が行われる。