2014年08月05日 18:21 弁護士ドットコム
理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹・副センター長が急死したことを受けて、理化学研究所は8月5日、記者会見を開き、笹井氏の死亡に関する情報を説明した。
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遺書が残されていたことなどから、笹井氏は自殺したとみられているが、記者会見で質問が集中したことの1つが、笹井氏の死亡前の状況だ。理研の加賀屋悟・広報室長は、「(自殺の)兆候があったとは聞いていない」としながらも、(5、6月ごろに)電話をした際に「疲れていると感じた。元気がなかった」という。
加賀屋室長によると、笹井氏はSTAP論文の問題発覚以降、副センター長としての業務をほとんどこなすことができていなかった。研究室のグループディレクターとしての業務をおこなっていたが、「疲労困憊(ひろうこんぱい)で、心身ともに疲れている状況だった」という。
笹井氏は、心理的なストレスのために心療内科に通っており、今年3月ごろには、入院していたという。ある程度回復したため、1カ月間ほどで退院したという。記者から、薬の副作用で精神が不安定になっていたのではないかと問われると、加賀屋室長は「薬を飲んでいたかどうかも分からない」と答えた。
また、8月中の発表とみられていた、STAP細胞の検証実験の中間報告について、加賀屋室長は「(スケジュールに)影響のない形で進めたい。お盆の前というのは難しいが、その後にさせていただきたい」と述べ、当初予定通り、今月中に行う方針を示した。
(弁護士ドットコムニュース)