DTMドイツツーリングカー選手権に参戦するメルセデスベンツAMGは、F1メルセデスからマイケル・ウイルソンを移籍させ、DTMプログラムのレースオペレーションを担わせることになった。
ウイルソンは、イギリスのブリックスワースにあるメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズでF1の開発に従事していた人物。メルセデスのDTMプロジェクトを率いるウォルフガング・シャトリングは、5月にゲルハルト・アンガーをDTMプロジェクトから離脱させた後、技術部門を中心に体制の再構築を行っていた。
「彼は、レーストラックにおけるエンジニアリングと技術サイドに対して責任を負うことになる。これは我々の再構築プログラムのひとつで、ひとりの重要なキーパーソンだ。彼はDTMプログラムに8月から従事している」とシャトリング。
今季F1では連勝を飾る一方で、DTMでは開幕から苦戦を強いられてきたメルセデスは、F1チームのテクニカルディレクターを務めるロブ・ベルを“アドバイザー”という役割をもたせ、モスクワ戦に派遣。ウイルソンの移籍はそれに次ぐものになる。
「ウイルソンは、我々が何を改善するべきかについていくつかのヒントをくれている。彼はすでにアッフェルターバッハにあるHWAの拠点に行き構造を視察し、F1の視点からプロセスを詳細に見てくれたんだ。我々はすでにいくつかのいい意味での衝撃を受けているよ」とシャトリングは語る。
「たぶんうまくいくと思う。F1チームと彼の契約は今年の末まであるので、どちらかを続けてどちらかをやめるかは分からないけどね」
シャトリングはまた、今季さらに多くのテクニカルスタッフを加えることを認めた。
「我々は今検討を進めている最中なんだ。新しいスタッフを探している。ただ誰がいつ、何をするために加わるのかはまだ言えないんだ。ただ、進化は続いているよ。個人面でも、構造面でもね」