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インディ第15戦予選:ブルデーが会心の走りでPP獲得、琢磨は最後尾列に

2014年08月03日 11:30  AUTOSPORT web

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トロント戦で勝久々の利を果たしたセバスチャン・ブルデーが今季2度目のポールポジション獲得
残り4ラウンドとなったベライゾン・インディカー・シリーズ。2日、ミド・オハイオで第15戦の予選が行われ、セバスチャン・ブルデー(KVSH)が今季2度目となるポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(AJフォイト)は、Q1でスピンを喫し、予選21位となった。

 金曜日の2回のプラクティス、土曜日の朝のプラクティス、いずれもドライコンディションでの走行だったが、予選だけはウェエットコンディションで の戦いとなった。正午過ぎから強い雨が短い時間だが降り、その後も暫く小雨が続いたため、午後2時開始の予選は全車がウエットタイヤを装着して走り出した。

 予選の第1セグメント、第1グループではライアン・ブリスコ(チップ・ガナッシ・レーシング)がアウトラップでスピンして赤旗。マシンにほど ダメージのなかった彼がピットに戻ると予選が再開されたが、今度は佐藤琢磨がやはりアウトラップにスピンし、ギヤ ボックスにトラブル発生で予選復帰を果たせず。計測ラップなしでグループ1最下位、予選21位となった。

 予選は10分間しかなく、次の予選再開時には「各エントリー計測1ラップのみ」との指示がインディーカーから出された。たった1ラップの予選、 それもウエットコンディション。トップはファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)で、以下の2~6番手はジャスティン・ウィルソン(デ イル・コイン)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、サイモン・ペジナウ(シュミット・ピーターソン)、マイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ)だった。ここでポイント・リーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が敗退。

 第2グループは多少だがコンディションが良化した状況で行われたが、こちらではスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)がコースオフして赤旗の原因を作った。彼もまた計測ラップなしとなり、琢磨の隣り、最後尾の22番グリッドから明日のレースをスタートす ることとなった。ミド・オハイオで過去4勝。優勝候補筆頭とでも言うべき存在が……。

 このグループをトップ通過したのはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)で、ドライでもウエットでも絶好調といった印象。2~6番手はセバスチャン・ブルデー、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン)、カ ルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)、カルロス・ヒュータス(デイル・コイン)だった。昨年度ウイナーのチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)がここで敗退した。ガナッシ勢はカナーンを除く3人がラウンド1敗退だ。


 第2セグメントではモントーヤがターン1でスピンし、ストップ。赤旗を出して敗退。ファイアストン・ファスト・シックス進出はブルデー、ハンター-レイ、カナーン、ムニョス、ニューガーデン、そしてパワーと決まった。

 Q3は路面がかなり乾いて来ているようにも見えていた。しかし、まだまだ濡れている部分も多く、全員がウエットタイヤのままでアタックした。さすがにここでは赤旗もなかった。半分の5分が経過した時点ではブルデーが1分28秒1168でトップ。これをニューガーデンが1分26秒2792で上回り、次にはムニョスが1分25秒7573でトップへ。

 路面がさらに乾いて行く中、ニューガーデンが再びトップに躍り出る1分15秒4570をマーク。そして全員がファイナルラップへ。路面が最も乾いた状態になっており、ここでのスピードがすべてを決めることは明らかだった。そして、このラップで1分24秒1610を叩き出したのがブルデーだった。

 ニューガーデンも1分24秒台に入ったが、経験豊富なブルデーはリスクのあるライン採りもトライして 0.5177秒の差をつけて先々週のトロントでのものに続く今季2度目、キャリア33個目のポールポジション獲得を果たした。

 予選3位はカナーン。4位はムニョス(ロード及びストリートでの自己ベスト)、5位はハンター-レイで、パワーはファスト・シックス最下位の6位だった。

「状況がどんどん良くなっている。自分たちの思う通りに物事が進むようになって来ている。この調子でポールポジションも優勝も重ねていけるといいね」とブルデーは語った。
「チームの努力が報われ出している。それだけのことを彼らはして来ている。今日の予選ではファイナルと、その前の2セグメントでコンディションが全然違っていた。ファイナルではかなりラインが乾いてきていた。そこで未知のラインを試すリスクを取る必要もあった。 ドライビングは本当に難しかったけれど、自分たちはポールに少し届かないタイムだったのがわかっていたから、思い切ってアタックした。幸いにもマシンはグリップを保ってくれ、それで十分だった」

 21番手スタートとなった琢磨は、「残念ながら計測ラップなしとなった。物凄く滑り易い路面で、一度赤旗があって残り時間が短くなっていたから、少しプッシュしていてス ピンしてしまった。エンジンはかかったままだったからピットに戻ろうとした。しかし、ギヤが3速にスタック。その後にはニュートラルがセレクトで きなかったために自動的にエンジンがストップするプログラムが働いた。明日は最後列グリッドから精一杯走るしかない」と話していた。

(Report by Masahiko Amano / Amano e Associati)