2014年08月02日 15:11 弁護士ドットコム
スマートフォンの普及に伴って「スマホ向けアプリ」の市場が拡大している。Google PlayやApp Storeなどの「アプリ市場」に登録・販売すれば、個人でも世界に向けてアプリを販売することができる。このため、アプリの内容しだいでは、個人で世界的ヒットを飛ばすことも可能なわけだ。
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ところで、このアプリの海外販売は、グーグルのGoogle Playで販売すると、消費税が課税される。ところが、アップルのApp Storeで販売した場合は、消費税は非課税だという。この差は何なのだろうか。税理士の片岡俊一郎氏に聞いた。
「消費税には、『消費地課税主義』という原則があります。消費地課税主義とは、商品やサービスが消費される場所で課税するということです。この原則により、海外へ商品を輸出した場合や、海外でサービスを提供した場合には、日本の消費税が免除されるのです。これを輸出免税と呼びます」
では、なぜ、Google Playを通じて海外ユーザーにアプリを販売した場合には、日本の消費税が発生するのだろうか。
「Google Playは、販売者が個々の『ユーザー』に直接アプリを販売するという契約形態となっています。販売者にはGoogleから国別売上高の情報が提供されるのみで、具体的にユーザーの氏名や住所などの情報は提供されません。
消費税法施行規則5条1項の規定によれば、輸出免税を適用するためには、その証明として取引先の氏名と住所が必要です。Google Playのように取引相手の氏名・住所がわからない状況では、輸出免税は適用できないのです」
では、なぜ、アップルのApp Storeでは、非課税になるのだろうか?
「App Storeは、各国の『直営代理店』にアプリを販売する契約となっているからです。販売相手が海外の直営代理店であれば、『相手の住所・氏名』が明確ですので、輸出免税の適用をうけることができるのです」
同じように見える「アプリ市場」だが、契約形態の少しの違いが、このような差異を生み出しているようだ。
【取材協力税理士】
片岡 俊一郎(かたおか・しゅんいちろう)税理士
平成20年9月入所。中小企業から上場企業に至るまで法人税務を中心に担当。また銀行への出向経験を活かし、相続・事業承継のコンサルティングも手掛ける。
事務所名 :辻・本郷税理士法人
事務所URL:http://www.ht-tax.or.jp/
(税理士ドットコムトピックス)