トップへ

【今宮純】ハンガリーGPドライバー採点&短評

2014年08月01日 11:50  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ハンガリーGPでピットスタートから3位表彰台を獲得したハミルトン。ハンガロリンクでの速さと強さは、やはり抜群
今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。ハンガリーGPの週末を通して22人ドライバーのなかから「ベスト・イレブン」を選出。レース結果だけにとらわれず、、3日間コース上のプレーを重視してチェック。
(最高点は☆☆☆☆☆5つ)



パストール・マルドナド
止まったりぶつかったり、そんな場面が多いが完走率はグロージャン以上。ここではFPセッションすべてでタイム先行(!)。周りにマシンがいなければ低中速コーナーを大胆アタック。誰かいると乱れる癖が出るが。

☆☆

フェリペ・マッサ
アクセル&ブレーキの“踏力コントロール"、それが若いチームメイトとはかなり違って見える。気合いで踏み込む走り、フェラーリ時代からシューマッハーよりも目立っていた。

小林可夢偉
コーナーごとにステア特性がアンダーからオーバーに急変、CT05は“じゃじゃ馬"みたい。それでもFP3までマルシャをリード、腕以外のなにものでもない(!)。

ニコ・ロズベルグ
駄洒落ですが“ハングリー・リンク"を攻めるには、もっと自身でコース幅いっぱいをハングリー(貪欲)に行かないと。首位ニコの「お坊ちゃま走法」はPPを獲れても、オーバーテイクにはつながらない。エンジニアに運転方法を教えてもらう無線は聞くに耐えない(失礼)。

☆☆☆

エイドリアン・スーティル
あと0.889秒、ザウバー今年初入賞ならず11位。FRIC無しの条件で打倒ロータス、戦力構図的に上昇中。チームの期待すべて彼に。

バルテリ・ボッタス
どこで稼ぐかどこで我慢するか。ここのレイアウトは明らかにFW36に不向き。観察しているとセクター1&3でプッシュ、2は我慢してタイヤをセーブ。緩急自在アタックで得た予選3位に驚いた。まるでベテランみたい。SCタイミングのせいで後退し決勝は8位、最後までしつこくベッテルを追いかけまわした。

☆☆☆☆

ジャン・リュック・ベルニュ
メルセデス勢を従え約20周も2位快走。ちょっと濡れた路面に強いトロロッソ、低速ショートコーナーで“小技"の巧さがかみ合った。ナイーブなフランス人の彼はリカルドの成長がいい刺激に。元チームメイトがあれだけやれるなら自分もやってみせる。

キミ・ライコネン
氷上レースかWRCか、ピレリが全く機能せずに滑りまくったFP1。そこでアロンソを抑えたキミ。ミディアムでは苦しんでいたが今年ベストの仕上がりと見た。が、Q1で「マラネロにいるストラテジストの情報」を真に受け、ラストアタックしなくても大丈夫と現場の首脳が判断ミス。16位→6位、嗚呼もったいない。北の国から今年も1万人、スタンドでは「毎周ものすごい歓声でした」と知人に聞いた(その様子、国際TV画面フォローはなかったが)。

☆☆☆☆☆

ダニエル・リカルド
「追い越し不能伝説」のハンガロリンクで魅せたオーバーテイク創造力。このレースの“チャンピオン"は彼だ。ファイナルラップの最終コーナーを片手運転、片手ガッツポーズ。実力を証明した2勝目。

フェルナンド・アロンソ
何度もレース中に細かなミスをしていたのは珍しい。それだけリミット・ドライビングを続けていたから。1時間53分ロングゲーム、果敢な攻撃心が2位に実った。ゴール後、勝負師はお愛想笑いを少しだけサービス。もしアロンソがいなかったらこの14年はつまらないシーズンになっていただろう。

ルイス・ハミルトン
パドック裏を歩く姿が痛々しかった。ドイツGP予選でのフィジカルダメージで背筋が真っ直ぐではなく、人前では平気なポーズをとっていたが体調は50%程度。あげくに予選で出火トラブル、燃えるマシンから緊急脱出、その結果ピットスタート。レース人生における「最悪の2週間」を3位で切り抜けた彼、体を張って戦うレーサーの生きざまを見せつけられた。ゆっくりと夏休みを過ごし、後半戦には100%ハミルトンに戻ってもらいたい。

☆なし
他11人