2009年のF1ワールドチャンピオンで、今季マクラーレン・メルセデスでF1を戦っているイギリス人ドライバー、ジェンソン・バトンが来季以降、日本のスーパーGT、スーパーフォーミュラで戦う希望を持っているのではないかという噂がある。
バトンは2000年に二十歳の若さでウイリアムズからF1デビュー、ベネトンを経てBARホンダに加入した後、ホンダのエースとして活躍。06年に第三期ホンダF1活動唯一の勝利をもたらし、その後09年にブラウンGPで初のチャンピオンを獲得。2010年からマクラーレンに加わった。そんなバトンについて日本のレース界はもちろん、F1界でも将来日本に戦いの場を移すのではないかという噂がある。8月1日発売のオートスポーツNo.1387でこれについて報じている。
オートスポーツNo.1387によれば、日本でレースをしている複数の外国人ドライバーがバトンからスーパーGT、スーパーフォーミュラについて質問攻めにあったほか、バトンとマネージャーがヨーロッパのレストランで熱心に日本のレースについて語っていたという。これについては、また別のドライバーもオートスポーツwebに対し同様の内容を教えてくれたことがある。
バトンとマクラーレンの契約は今季限りとなっているが、チーム代表のロン・デニスはバトンに対する批判も口にしている。バトン本人としては、かつてともに戦ったホンダと再び仕事をすることを望んでおり、来季に向けてはマクラーレン残留が第一希望ながら、もしこの希望がうまくいかなかった場合の有力なオプションとして“日本行き”があるのかもしれない。
今季からスーパーフォーミュラではダラーラ製のSF14シャシーが導入され、F1を上回ると言われるコーナリングスピードなど、そのパフォーマンスは外国人ドライバーをはじめ高く評価されている。また、スーパーGTはそのレベルの高さ、GT300をかわす経験など、こちらもWEC世界耐久選手権等で結果を残すために重要とされている。今季からビタントニオ・リウッツィが両レースに参加したりと、日本のレースは現在ヨーロッパでも“口コミ”で評価を高めている状況だ。ちなみに、以前バトンがホンダ在籍時にイベントで来日した際、同じ会場で走っていたGT500のNSX-GTに乗りたがっていたのは有名な話。
オートスポーツwebに対し語ってくれたドライバーは、現在燃費やタイヤの落ち込みを気にしながら走らなければならないF1に対し、バトンはより純粋なレースが戦える日本というステージを大いに気にしているという。もちろん、道端ジェシカさんを婚約者にもち日本に頻繁に訪れているバトンだけに、日本で戦うことに違和感はないはずだ。
「早ければ来年」とも言われるバトンの日本行き。すべてはマクラーレンとの交渉にかかっているだろう。7月31日発売のF1速報ハンガリーGP号によれば、バトンの来季はギャラを減額して1年マクラーレンに残るか、バトンの後釜としてロメイン・グロージャンかニコ・ヒュルケンベルグが起用されるのではないかと推測する。今後のバトンとマクラーレンをめぐる情勢を注意深く見守りたいところだ。