ハンガリーGP初日、GP2のパドックで、ホンダのF1総責任者である新井康久/本田技術研究所取締役専務執行役員四輪レース担当に会ったので、ジル・シモンに関するウワサを尋ねた。すると、新井氏は即座に「ホンダとジル・シモンとの契約更改が難航している」というウワサを全面否定した。
「そのウワサがどこから出たのか知りませんが、ジルとは良好な関係を築いています。契約に関しては細かくお伝えできませんが、少なくとも来年も我々と一緒に仕事してもらうことになっています」
さらに新井氏によれば、シモンとホンダとの関係はより深いものとなっており、「昨年まできコンサルタントでしたが、現在はアドバイザーとして、単なるレギュレーションの解釈の確認にとどまらず、ジル豊富なコネクションから得られる情報を元に、様々な提案もいただいており、先日もミーティングしたばかりです」という。
しかも、少なくとも2015年いっぱいまであるというシモンとの契約は、ホンダの独占契約であることも新井氏は示唆し、「ホンダの未来を悲観したシモンが、自らホンダとの契約更改に応じなかった」というウワサに関しても再度、否定した。そして、最後にこう続けた。
「もし、仮に彼がホンダに幻滅していたら、もうとっくに辞めているでしょう。逆にホンダも彼が必要でなければ、もっと前に契約を解消しています。でも、ホンダにとって、ジルはいなくなっては困る存在。ジルもホンダに対する期待が高いからこそ、来年も一緒に我々と仕事をするのだと思います」
(尾張正博)