ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)は20日、レッドブルリンクで第3戦の決勝レースが行われ、4時間のレースをシグナテック・アルピーヌのポール-リープ・チャティン/ネルソン・パンチティアシ/オリバー・ウェッブ組36号車アルピーヌA450B・ニッサンが制した。
決勝を前に行われた予選では、前戦を制するとともに、6月のル・マン24時間でもクラス優勝を果たしたJOTAスポーツの38号車ザイテックZ11SN・ニッサンがポールポジションを獲得。アルピーヌは5番グリッドからのスタートとなった。
現地時間14時からの4時間の決勝レースは、非常に暑いコンディションのもとでスタート。JOTAの38号車を駆るフィリペ・アルバカーキが好スタートを見せて首位で1周目を終えた後方では、38号車アルピーヌも3番手まで順位を上げる。
序盤は、38号車ザイテックと、フロントロウからスタートしたレース・パフォーマンスの34号車オレカ03・ジャッドがレースを牽引。その後、36号車アルピーヌも加わり3台による首位争いが展開され、2回目のピットストップの際に36号車アルピーヌが首位を奪取する。
その後は、36号車アルピーヌと38号車ザイテックが優勝を争う展開に。レース後半にはピットストップで38号車ザイテックが先行するも、36号車アルピーヌも激しく追撃。残り1時間を切ろうかという時間帯には、抜きつ抜かれつの首位争いが展開される。
残り1時間を切ると、やや38号車ザイテックがギャップを築く形となるが、ほぼ同時に行った最後のピットストップ後には再び接戦に。ただ、132周目には36号車アルピーヌを駆るウェッブが首位を奪うと、その後も好ペースでリードを拡大。最後は後続に12秒の差をつけ、160周のレースで36号車アルピーヌが今季初勝利を飾った。
2位に38号車ザイテック、3位はレース・パフォーマンスの34号車オレカとなった。なお、ル・マン24時間からリジェJS P2・ニッサンを投入しているティリエ・バイ・TDSレーシングは、序盤にクラッシュを喫しリタイアとなっている。
LM-GTEクラスでは、AFコルセの55号車フェラーリ458イタリアが優勝。55号車は、残り2時間というところで首位のケッセル・レーシングの81号車フェラーリ458イタリアをパスするが、ケッセルは最後のピットストップでタイヤ無交換作戦を採り首位を奪還。55号車フェラーリは10秒の差を追うことになる。
それでも、コース上で再びトップに返り咲いた55号車は、最後は後続に30秒もの差を付けてクラス優勝。2位にはケッセルの81号車フェラーリ、3位はJMWモータースポーツの66号車フェラーリ458イタリアがつけ、今回もフェラーリ勢が表彰台を独占するとともに、クラス上位6位までを占める形となった。また、GTCクラスでは、SMPレーシングの71号車フェラーリ458イタリア GT3がレースを支配する走りを見せてクラス優勝を飾っている。