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インディカー第13戦トロント:レース1はブルデーが2007年以来の勝利

2014年07月21日 03:30  AUTOSPORT web

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ポール・トゥ・ウインでキャリア32勝目を飾ったセバスチャン・ブルデー
カナダ・トロント市街地を舞台に今年もダブルヘッダーで開催されているベライゾン・インディカー・シリーズ。19日に予定されていたレース1の決勝が雨のため順延し、20日の午前中に開催。ポールからスタートしたセバスチャン・ブルデー(KVSH)が2007年以来の勝利を飾った。佐藤琢磨(AJフォイト)は、オープニングラップの多重クラッシュに巻き込まれリタイアとなった。

 土曜日に行なわれるはずだったトロントでのレース1、シリーズ第13戦は雨のために日曜日の午前10時半過ぎにスタートが切られ、周回数は20周マイナスの65周とされた。

 1レース目はローリングスタートが採用され、ポールポジションからブルデーがトップをキープ。しかし、バックストレートの先のターン4でサイモン・ペジナウ(シュミット・ピーターソン)とルーキーのルカ・フィリッピ(RLLR)が接触し、ペジナウがスピン。

 ストップしたペジナウのマシンを避けようとしたジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン)が佐藤琢磨に真横からヒットし、その影響でマイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)、ルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)らが次々とアクシデントに巻き込まれた。

 驚いたことに、このアクシデントで走行続行不能に陥ったのは琢磨だけだった。インディ500以降は18位以下というリザルトしか残せてい来ていない彼とフォイトチームは、トロントでのレース1でも不運から抜出せておらず、最下位の23位という結果を受け入れるしかなかった。

 この多重アクシデントによりレースは今日もまた赤旗になったが、今日は天候の心配は不要で、コースの清掃が終るとレースは再開された。

 スタートは3周目に切られ、ブルデーがエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)を突き放した。そして、この後の1ラップでブルデーは目覚しい走りを見せる。コールドタイヤでの速さをライバル勢に印象づける明確なリードを確保してみせたのだ。

 その先もブルデーのペースは最後まで落ちることはなく、チームのピットストップも確実に行われ、優勝のチェッカーフラッグを受けた。最終ラップには周回遅れの出現などもあり、ゴール時のウイニングマージンは3秒3408秒となっていたが、それ以上に大きなパフォーマンスの差を見せつけての圧勝だった。チャンプカーを合わせてキャリア32勝目。これは歴代8位にランクされる素晴らしい成績だが、インディカーによるチャンプカー併合が行なわれた後では、これがブルデーにとっての初勝利となった。2007年のメキシコ・シティ以来という久しぶりの優勝だ。

 2位争いは、序盤にはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がリードをしたが、タイヤを酷使し過ぎたのかカストロネベスに抜き返され、さらにはトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)にもパスを許した。ピットでタイヤを新しくした後の彼は40周目のターン3でカナーンにアタック。しかし、ターン4へのアプローチでカナーンと接触し、コース外側の壁にヒット。21位という結果に終った。インディ500ウイナーは先週のアイオワでラッキーウインを記録したが、このリタイアでまたチャンピオンシップが遠ざかってしまった印象だ。

 3位はカナーン。彼にとっては今年3回目の3位。まだターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングは勝利を記録できていない。昨年トロントの2レースを両制覇したスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)は今日の1レース目で5位だった。

 シボレーがホンダイベントで1-2-3。ホンダ勢のトップは4位のペジナウだった。最初のアクシデントで最後尾まで下がったが、2ストップ作戦をトライ。トップグループが1回のみのピットに入った際にレースリーダーの座に躍り出たほどで、もう1回のピットストップを行っても4位でのゴールを達成した。これによりペジナウのポイントスタンディングは3位に復活した。

 昨日のアクシデントの為に最後尾スタートだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、今日は無理をし過ぎることなく9位でのゴールを達成。

 優勝したブルデーは、「とても嬉しい。勝つまでには多くの苦労があった。ずっとファイトをし続け、この日が来るのを待っていた。そして今日、僕らにとって何もかもが完璧だった。トロントでのレースは奇妙な展開になることが多いので、今日このようなカタチで勝つことができるとは考えていなかった。僕はとてもリラックスした状態でレースを迎え、自分のやるべきことをやり通すことに集中していた。他車の破片を踏んだ後はおおいに心配をして、起こってもいないコトを感じたりもしていたが、無いのトラブルもなくゴールまで走り切れた」と喜んでいた。

 2位でフィニッシュ。チャンピオンシップ・ポイントでのリードを広げることに成功したカストロネベスは、「厳しいウイークエンドになっているが、とにかく全力を尽くすのみ。2位は決して悪い結果じゃないと思う。午後のレースに向けては、もう少しマシンを良くする必要があるね。今日はポイントを争うライバルたちが後方スタートだった。このチャンスは必ずや活かさなければならず、1レース目での僕らはそれに成功した」とコメントした。

 レース終盤には太陽も顔を出し、気温も上がって来ていた。レース2はまた違った展開となりそうだ。なお、レース2は予選が行なえなかったため、スターティンググリッドはレース1終了時点のチャンピオンシップポイント通りの並びとされる。ポールポジションはカストロネベス、フロントロー外側はパワー。レース2ではスタンディングスタートが切られる。

(Report by Masahiko Amano / Amano e Associati)