2014年07月18日 23:51 弁護士ドットコム
「わいせつ電磁的記録記録媒体頒布罪」の疑いで逮捕・勾留され、7月18日に釈放された芸術家「ろくでなし子」さんが同夜、東京都内で記者会見を開いた。
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ろくでなし子さんは、自らの女性器をスキャンした「3Dプリンタ用のデータ」を他人に送信したとして、7月12日に逮捕され、その後勾留されていた。しかし、裁判官が出した勾留決定に対して、弁護団が申し立てた「準抗告」が認められたため、18日に釈放された。
ろくでなし子さんは記者会見の冒頭、緊張した面持ちで、次のように述べた。
「今回、釈放されるまでに、多くの人に支援していただきました。本当にありがとうございました。釈放されてとてもうれしいです。今回の逮捕はとても不当で、理不尽で、納得がいきません。
わたしは、自称芸術家と報道されていたようですが、信念をもって活動してきた芸術家です。わたしは、自分のしてきた活動や作品が、犯罪にあたるとは考えておりません。
今後も捜査がされ、また、裁判になるかもしれません。その対応については、弁護団の先生方たちと話し合いながら、決めていきたいと思っております」
漫画を中心に16年間創作活動を続け、およそ1年前から「芸術家」を名乗るようになったろくでなし子さんは「私自身、自分の性器をわいせつだと思っていません」とキッパリ。
女性器を芸術品として描く目的を聞かれると、「『まんこ』というと、テレビなどではピー音で消されたり、『ま○こ』みたいに伏せ字になったりする事の意味が分からないということに気がつきました」「自分の身体がわいせつかどうかを考えたときに、わたしの身体はわたしのものだし、男性目線からみたわいせつ性を付加してほしくないなと思った」と話した。
今後の活動については、「私のアートはわいせつではない、犯罪でもないという意思は、この先ずっと一生貫き通していきたいと思っております」と決意を述べていた。
今回の釈放について、弁護団は「(勾留決定に対する)準抗告が認められるのは非常にまれなこと。裁判所が逮捕・勾留は不当であると認めたということで、そのことの意義は大きい」と強調している。
しかし、弁護団は、今後もろくでなし子さんに対する捜査が継続するとみている。
弁護団長の須見健矢弁護士は「今回のろくでなし子さんの行為には『わいせつ性』がなく、犯罪は成立しないと主張している。まずは起訴されないことを目標にし、もし仮に起訴された場合、無罪判決を勝ち取るべく活動する」と力を込めていた。
動画はこちら。
https://youtube.owacon.moe/watch?v=Tayc6-5slBA
(弁護士ドットコム トピックス)