FRICサスペンションシステムの禁止を2015年まで延期するという問題に関し、結局全チームの同意はなされなかったことが分かった。これにより、ドイツGPからFRICを使用したチームは他チームから抗議が提出される可能性がある。
FRICは車高の安定性を向上させるため、前後のサスペンションを油圧で連結したシステム。FIAは先週、これはレギュレーションに反しているとの見解を明らかにしたものの、全チームが合意すれば、このシステムの禁止をドイツGPからではなく2015年からに延期すると通知した。
大多数のチームが延期に同意する意向を示していたが、いくつかの小規模チームの同意が得られず、それによって当初は同意していたビッグチームの一部が考えを変え、最終的に全会一致の合意がなされる望みがなくなったものと考えられている。
FIAのスポークスマンは、今週火曜、FRIC禁止を来年まで延期するという取り決めがなされるとは考えていないと語った。
「提案した延期に関して全チームの同意を得てはいないし、今後得られるとも考えていない」とスポークスマンは述べた。
これにより、ドイツGPでFRICを使用した場合、ライバルチームから抗議が提出され、それによって失格の裁定が下される可能性がある。
FIAは、FRICを使用しているチームに関して積極的にスチュワードに報告するつもりはなく、他チームから正式な抗議があった場合のみ、審議を行うことになると述べている。
マクラーレンは今週月曜の時点で、ドイツGPではFRICを外して走ると認めており、多くのチームがこれに追随するものと考えられる。
ただし、木曜にFRICを搭載し、レーススチュワードから違法と判断された場合にはこれを外し、違法扱いされなかった場合にはそのまま使用し続けるというアプローチをとるチームもいるかもしれないといわれている。