レッドブルは、育成ドライバーであるカルロス・サインツJrにはF1で走らせる前にフォーミュラ・ルノー3.5の今季タイトル獲得に集中させる意向であることを明らかにした。
最近、レッドブルはサインツJrを今季中にケータハムにテストドライバーあるいはレースドライバーとして加入させ、F1での経験を積ませることを検討、交渉していると報じられていた。ケータハムの新オーナーは、テクニカルパートナーであるレッドブルとの関係をより緊密にしたいと考えているといわれている。
元WRCチャンピオンの息子で、19歳スペイン出身のサインツJrは、今年フォーミュラ・ルノー3.5シリーズに参戦し、現在ランキングトップに立っている。彼は先週、レッドブルとケータハムの間で自分を走らせるための交渉が行われたことを認めていた。
しかしレッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコは、現時点ではサインツJrを今年中にF1で走らせるつもりはないと語った。
「ワールド・シリーズbyルノーを制したら、彼にシーズン後のアブダビテストでチャンスを与える」とマルコは述べている。
サインツJrは、今年F1に参戦できるのであれば嬉しいが、レッドブルが支援するドライバーの中で初のフォーミュラ・ルノー3.5チャンピオンになるチャンスを逃したくないと語った。
「F1ドライバーになるのが僕の夢だから、もちろんどんなチャンスも、つまりケータハムであっても他のどこであっても、訪れたチャンスは両手でつかむ」とサインツJr。
「F1はあらゆる面で他のカテゴリーとは全く違うと皆が言う。だから経験を積むのはいいことだと思う。ミーティングやドライビングに関していろいろ学ぶことができるからね」
「どういう状況であろうと、F1でレースができるのであれば、F1の経験を積むことになり、それは必ず役に立つ」
「だけどFR3.5に集中するという状況にも満足している。このシリーズを楽しんでいるし、今年中にF1に関するチャンスがないとしてもがっかりしたりしない」
「僕はレッドブル関係のドライバーの中でこの選手権(フォーミュラ・ルノー3.5シリーズ)でタイトルを取った最初のドライバーになりたい。それが今年の一番の目標なんだ」
サインツJrは第6戦(11ラウンド)終了時、残り6ラウンドの時点でランキングトップに位置し、2位に39ポイントの差をつけている。
昨年のF1若手ドライバーテストにおいてサインツJrは初めてF1マシンで走行、トロロッソとレッドブルのクルマを走らせている。