ディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・ベッテルは、数字上可能性がゼロになる前に今季タイトル獲得を諦めるのは愚かであると語った。
第9戦終了時点でセバスチャン・ベッテルは、ポイントリーダー、ニコ・ロズベルグと95ポイント差のランキング6位に位置している。
今シーズンはメルセデス勢が圧倒的強さを示しているのは確かだが、まだあと10戦が残っており、しかも最終戦アブダビGPではポイントが2倍与えられるため、今後最大で275ポイントを獲得できる可能性があるということになる。
今季のマシンに苦労しているベッテルは、タイトル連覇に気持ちを集中させてはいないと述べてはいるものの、一方で可能性が残っている以上は諦めるつもりはないと語った。
今年のタイトル獲得の望みは消えたと考えているかと聞かれたベッテルは、次のように答えた。
「ポイントを見て計算すると、僕らがタイトル争いで戦える可能性はまだある。だからもう可能性はなくなったと言うのは愚かだ」
「現実的に考えれば、メルセデスはすべてのレースで優勝し、ワンツーを成し遂げることができる状況にある。ライバルたちは彼らに近づくことができず、状況は悪い方向へと進んでいくかもしれない」
「僕らの目標はいずれ彼らに追いつき、彼らに勝つことだ。でもギャップはとても大きいから、短期間で差を縮めることは難しいだろう」
「今シーズン、僕はタイトル獲得に集中していると言ったことはない。1戦1戦を戦い、自分とクルマの力を最大限に引き出そうと努力している」
「ギャップはあまりにも大きく、一度に大きく差を縮めるのは難しいだろうが、チーム全体が進歩してより優れた仕事をすることを目標としている」
一方、フェラーリのフェルナンド・アロンソは少し前に、今年タイトルを獲得できるとは考えていないとコメントしていた。
アロンソとロズベルグとの差は78ポイント、現在ランキング4位であり、メルセデスに追いつくにはペースの差が大きすぎるとアロンソは示唆していた。
イギリスGPの週末に、今年のタイトルは諦めたかと聞かれたアロンソは「イエス」と答えた。
「ロズベルグと(ルイス・)ハミルトン以外の人間が、今年チャンピオンになれると信じていると言ったとしたら、嘘をついていることになる。僕は嘘はつきたくない」