トップへ

世界RXベルギーでトッピ優勝、ペターがシリーズ首位に再浮上

2014年07月14日 11:00  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

激しいジャンピングスポットが盛り込まれたメテのコースで紙一重のパフォーマンスを見せたペター。ラリークロスの難しさが改めて証明された。
世界ラリークロス第6戦は7月11-13日、ベルギー南部のメテで開催。昨年のグローバルラリークロス選手権(GRC)王者のトーマス・"トッピ"・ヘイッキネン(VWポロ)が世界戦で初勝利を挙げた。これで世界RX戦は初年のここまで6戦で6人の勝者が誕生した。

 天候が不安定で時折強い雨も観られたこの週末、メテには世界戦としてのラリークロスを見ようと2万5000人の観客が押し寄せた。さらに、ベルギーのトップラリースト、フランソワ・デュバルがスポット参戦するとあって、ジュールス・タケニーサーキットの興奮は最高潮に盛り上がった。ヘイッキネンと同じくマルクルンド・モータースポーツが製作したポロで参戦したデュバルは好走を見せたものの、残念ながらファイナル進出は逃した。

 コンディションが乱調となる中、コンスタントに好パフォーマンスを見せたのがヘイッキネン。昨年、米国拠点のGRCを制し、タイトル最有力候補のひとりとして世界戦に乗り込んだが今一歩結果につながらず、ようやく念願の今季初勝利を引き寄せた。

「本当にチームには感謝している。最高のマシンを作り上げるために、想像もつかないほどの努力を費やしてくれた」と語るヘイッキネンはフィンランド出身の23歳。「VWモータースポーツの支援にも感謝したい。これでシーズンは折り返しだけど、後半戦で追いつけると思う。レイニス(ニッティス)やペター(ソルベルグ)とも僅差だから、タイトル争いはエキサイティングになるよ」

 また2位には、同じく今季不調が続いていたチーム・プジョー・ハンセンのティミー・ハンセン(プジョー208)が続き、3位にはヘイッキネンのチームメイト、ヨハン・クリストファーソンが入った。クリストファーソンは、ファイナルの第1コーナーをトップで通過したドライバーに与えられるモンスターエナジー・スーパーチャージも獲得した。

 一方、ファイナルをフロントローからスタートしたペター・ソルベルグは、今季2勝目を目指しファイナルで一時首位につけたが、終盤でサスペンションを破損して失速。4位に留まった。
「4位は、スポーツの世界では取っちゃいけない順位って言われている。優勝できず、ポディウムも寸前で逃した位置だからね」とペター。「スタートの混乱を3位で抜けた後すぐに一台抜き、ラップ2ではヘイッキネンも射程圏内で、彼がジョーカーに入った後は快調に首位を走っていた。この週末はずっとトップタイムをマークしていたし、勝利もほぼ手中に収めていたけど、突然リアの動きが悪くなった。まだポディウムは狙えると思って死ぬほどがんばったけど、トップ3には食い込めなかったね」

 しかし、前戦までシリーズ首位につけていたニッティス(フォード・フィエスタST)がセミファイナルではスタートでまさかのエンジンストール。ファイナル進出を逃したことから、選手権争いではソルベルグは首位に返り咲き、シリーズリーダーとして後半戦を迎える。

「後半戦は、各ラウンドでできる限りのポイントを取っていく。賢く、リスクの少ない走りを目指すよ。あと1,2勝できれば、大きなトロフィーが一気に近づく」とペター。

 世界RXのマシンは火曜日にはカナダに向けて出発。後半戦最初の舞台となるのは、北米大陸だ。第7戦は8月7-8日、カナダ東部のモントリオールで開催される。