2014年07月13日 13:31 弁護士ドットコム
ケータイ・スマホにまで「課税」を検討――。自民党の議員有志が6月、携帯電話への課税を検討する議員連盟「携帯電話問題懇話会」を設立した。財源確保を目的として、携帯電話・スマートフォンの持ち主を対象に、1台につき数百円程度の課税導入を検討する。秋の臨時国会に向けて、提言を取りまとめる方針という。
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この報道に対して、ツイッター上などでは「ふざけるな」「消費増税したばかりなのに」「払いたくない」と反対の声が続出している。なんだか唐突にも思える話だが、いったいどんな理由で課税されなければならないのだろうか。税理士の河原大輔氏に聞いた。
「携帯電話税は興味深い話です。国の安定財源確保のために賛成する方もいれば、利用料金が上がるからと反対する方もいて、様々な意見があるようです」
税収不足と言われているが、携帯電話に税金をかけることは、国がお金を集める方法として公平なのだろうか?
「たしかに税金は、それぞれの負担能力に応じて、公平に課されることが要請されています。
この能力、つまり納税者の経済的負担能力を測る基準は、(1)所得(2)財産(3)消費の3つとされています。
たとえば、『所得』にかかる税の代表が、所得税や法人税です。『財産』にかかるのが固定資産税や相続税。『消費』にかかるのが消費税や酒税、たばこ税になりますね」
携帯電話税は、そのうちどれになるのだろうか?
「そこがポイントです。所得ではありませんから、『財産』としての携帯電話に課税するのか、あるいは携帯電話を『使用(消費)』することに課税するのかのどちらかですね。
報道によると、自民党の議員達は『公共の道路を使っている自動車も税金を払っているわけだから、公共の電波を使っている携帯電話も税金を払うべき』と、携帯電話に課税する理由を説明しています」
となると?
「自動車税は自動車という『財産』に対する課税です。公共の道路の使用(消費)ではありません。実際、全く運転せずに駐車場においたままでも課税されますよね。
自民党が自動車税をもちだしたということは、やはり、自動車と同じように携帯電話という『財産』に対する税だと考えているからでしょう」
しかし、もはや誰もが持っている携帯電話を「財産だ」といわれてもピンとこないが・・・。
河原税理士は「いまや日常生活の必需品であるだけでなく、子供や障害者あるいは高齢者の安全にも重要な携帯電話ですから、携帯電話税の議論は慎重にしてほしいですね」と話していた。
【取材協力税理士】
河原大輔(かわはら・だいすけ)
税理士・行政書士・MBAの各資格を持つ。慶応義塾大学経済学部卒業後、一部上場企業勤務を経て税理士登録。経済産業大臣認定経営革新等支援機関として補助金申請・事業再生・事業承継支援に取組む。
事務所名:河原会計事務所
事務所URL:http://www.keiei-kanri.com
(税理士ドットコムトピックス)