スーパーフォーミュラ第3戦富士の専有走行でトップタイムをマークした中嶋一貴(PETRONAS TOM'S) 第3戦の予選日を翌日に控えた11日、スーパーフォーミュラの専有走行が富士スピードウェイで実施された。トップタイムは中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)がマークした1分24秒475。以下、5番手までをトヨタ勢が独占し、ホンダ勢のトップは1分25秒302で全体6番手の野尻智紀(DOCOMO DANDELION)だった。
午後2時40分から1時間の枠で実施された専有走行は、赤旗中断等の大きなアクシデントなく進行。開始時で気温32度/路温46度という暑いコンディションだったが、セッション終盤にはそれぞれ30度/40度まで落ち、多くのマシンがニュータイヤでの予選想定アタックを敢行した結果、残り5分で続々とトップタイムが更新される展開となった。
ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、そしてロイック・デュバルの代役を務めるアンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO LeMans)らとトップタイム争奪戦を展開した一貴は、最終的に2番手タイムだったロシター(1分24秒911)をコンマ4秒以上突き放す1分24秒475を最後の最後に記録。直前までのトップタイムも自身が記録した1分24秒706だったが、それをコンマ2秒以上も縮める快走だった。その差はタイヤのウォームアップ具合によるものだったようで、「まだまだ他の状況が分かりませんけど、(レースウイークの)スタートとしては悪くないと思います」と一貴は語っている。
3~5位にはカルダレッリ、ロッテラー、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が並び、カルダレッリまでの上位3台が1分24秒台。なお、第2戦レース1のウイナー、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo IMPUL)は点火系らしきトラブルでまともに走れておらず、1分31秒台のタイムしか残せなかった。
ホンダ勢のトップタイムは野尻の1分25秒302で、全体の6番手。タイムモニター上の最高速ではトヨタ勢がトップ9占拠、概ね310~317km/hといったところなのに対し、ホンダ勢で310km/hを超えた車両はなかった。ただ、1時間のなかでのタイムの出方的にはホンダ勢が上位に顔を出す局面もしばしばあり、最終的なタイム差と序列には相変わらずの厳しさが漂うものの、過去2戦に比べれば差が詰まってきている雰囲気も感じられたセッションだった。
野尻に関してはセクター2での調子の良さが目立っており、僚友の武藤英紀も7番手(ホンダ勢2番手)に続くなど、ホンダ勢復調というよりはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGが調子を上げてきた、という見方ができる内容でもあったが、野尻は「最後の一貴選手くらいのタイムを他のトヨタ勢も出せるのかどうかが分かりませんけど、エンジンもクルマも前回より良くなっていると思います。セクター2では一貴選手に遜色ないタイムで走れていたみたいなので、僕たちは僕たちで、今のところ流れは悪くないです」と語っている。予選~決勝での同チームの動向が注目されるところだ。なお、ホンダ勢3番手は1分26秒094で全体10位の山本尚貴(TEAM無限)となっている。
(Toshiyuki Endo)