2014年イギリスGPでキミ・ライコネンのクラッシュ後の処理によりレースが約1時間中断されたことについて、ニキ・ラウダがもっと簡単な処置で済ませて早くレースを再開すべきだったと発言、これに対しFIAが反論を行った。
フェラーリの戦略ミスにより18番グリッドからスタートしたライコネンは、1周目のターン5でコースアウト、コースに復帰する際にランオフエリアのバンプに乗ってしまい、コントロールを失った。彼はウォールに当たった後、スピンしながらコースを横切り、その間にフェリペ・マッサと接触した。幸いライコネンにもマッサにも大きなけがはなかったものの、このアクシデントによって赤旗が出され、ライコネンがクラッシュしたガードレールの修理により約1時間にわたってレースが中断した。
3度のF1チャンピオンであり、現在メルセデスのノンエグゼクティブチェアマンを務めるニキ・ラウダは、FIAは中断時間をもっと短くできるような手段を取るべきだったと発言していた。
「なぜガードレールの1カ所を修理するために1時間中断したのか?」とラウダ。
「もっと速く修理を行う方法を取るべきだった。タイヤを(ガードレールの)前に置けば早く終わるし、他にも方法はある」
「あのガードレールの同じ場所にまた別のクルマがヒットするわけがない」
これを受け、FIAのレースディレクター、チャーリー・ホワイティングは、安全面において妥協すべきではなく、ラウダの発言は適切ではないと強く反論した。
「(応急処置でレースを再開すべきだったとは)全く思わない。ニキはサーキットの安全性について何も知らないということを露呈した。彼の発言はプラスにならない」とホワイティングは述べている。
「他のクルマがバリアの同じ場所にヒットする可能性はほとんどないなどと言うのはばかげている」
「一台がクラッシュしたのであれば、他のマシンがそこでクラッシュする可能性は間違いなく存在する」
「たとえば、2009年ハンガリーでのフェリペ・マッサのクラッシュを考えてみようではないか。今後他のドライバーが頭にスプリングが当たる見込みはないという考え方をしていたら、今のようにバイザープロテクションを改善することはなかっただろう」