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「ライコネンは処罰に値せず」。危険行為ではなかったとFIAが判断

2014年07月11日 11:10  AUTOSPORT web

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2014年イギリスGP クラッシュしたキミ・ライコネンのフェラーリF14 T
FIAは、イギリスGP決勝でのキミ・ライコネンのアクシデントを調査、彼を処罰すべきだったとの意見を退けた。

 フェラーリの戦略ミスにより18番グリッドからスタートしたライコネンは、1周目のターン5でコースアウト、コースに復帰する際にランオフエリアのバンプに乗ってしまい、コントロールを失った。彼はウォールに当たった後、スピンしながらコースを横切り、その間にフェリペ・マッサと接触した。

 幸いライコネンにもマッサにも大きなけがはなかったものの、このアクシデントによって赤旗が出され、約1時間にわたってレースが中断、ライコネンはもちろんのこと、マッサもマシンのダメージにより再スタートすることができなかった。

 ライコネンはF1スポーティングレギュレーション第20.2条に違反しておりペナルティを受けるべきだという意見が出ていた。
 第20.2条には次のように記されている。
「クルマがコースを外れた場合、ドライバーはコースに復帰することはできるが、安全な形で戻らなければならず、その際にアドバンテージを得てそれを維持するようなことは許されない」


 FIAはこの事故に関して調査を行い、ライコネンは危険な形でコースに復帰したわけではないと結論づけたといわれている。

 テレメトリーデータによって、ライコネンは230km/hでコースアウト、コースに復帰する際に幾分スピードを落としていたが、芝生を通った時にバンブに乗り、マシンが不安定になったことが分かっている。

 FIAは、ライコネンが大幅にスピードを落としていればクラッシュを避けられたことは認めているものの、他のどのドライバーであっても同じようにコースに復帰しただろうと考えているということだ。

 ライコネンは160km/hでバリアにクラッシュ、その際の衝撃は47Gにもおよんだ。

 アクシデントの影響を受けたのはマッサだけでなく、小林可夢偉は大きくコースから外れなければならず、マックス・チルトンのマシンには飛んできたタイヤが当たり、ロマン・グロージャンもデブリによってバイザーにダメージを受けた。

 マッサは、ライコネンはもっと慎重にコースに戻ってくるべきだったと発言。3度のF1チャンピオンであり現在メルセデスのノンエグゼクティブチェアマンを務めるニキ・ラウダは、ライコネンはコース復帰の際にもっとスピードを落とすべきであり「不必要な行為をした」と批判していた。

 ライコネンはドイツGPには出場できる状態であるが、今週行われたシルバーストンテストは大事をとって欠席した。