ピレリが実験的に持ち込んだ18インチのF1タイヤをテストしたシャルル・ピックが、実際にこのタイヤがF1に導入される場合、チームもドライバーも適応するのに非常に苦労するだろうと語った。
今週シルバーストンで開催されたF1合同テストに、ピレリは将来F1に導入する可能性がある新型18インチのタイヤを持ち込んだ。このタイヤのテストはテスト2日目の9日にロータスが行った。
ピレリは、チームやF1関係者がタイヤサイズ拡大の方向に向かう意向があれば、18インチタイヤの開発を推進し、2017年、あるいはもっと早い段階で導入すると述べている。大径サイズの採用は、F1と乗用車用タイヤ間の技術転用を加速させるとピレリは説明している。
ロータスのリザーブドライバーであるピックは午前中のセッションで18インチタイヤを4セット使い、14周を走行した。
F1はこの新しいタイヤに変更すべきだと考えるかと聞かれ、ピックは「将来このタイプのタイヤを使うとすれば、大きなチャレンジになるだろう」と答えた。
「チームは完全に新しいクルマを作る必要が出てくる。フィロソフィーが全く違うからだ。ドライバーにとっても全く異なるタイヤだ」
「見た目に関しても違っているから、これが気に入る人もいれば、そうでない人もいるだろう。正直言って僕としては少し大きすぎると思った。でもそれはクルマに装着されたところを初めて見たからかもしれない」
このタイヤはプロトタイプにすぎないため、ピックは直線でのトップスピードリミットを守り、縁石を避け、プッシュすることなく走らなければならなかった。
新タイヤではマシンの挙動には大きな違いを感じたとピックは言う。
「目標は、このタイヤを走らせて、反応を見ることだった」とピック。
「全体的なグリップはとても低かった。5秒か6秒遅かったと思うが、その主な理由はクルマがこのプロトタイプタイヤではなく現行のタイヤ用に作られているからだ」
「より敏感でナーバスなのは事実だ。空力面のパフォーマンスも大幅に低下する」
「モンツァ仕様で走っているよりもさらに(ダウンフォースが)低い」
「ハンドリングはもちろんよくない。でもそれはテストの要点ではなかった」
「まだこのタイヤのテストを始めたばかりだ。これから向上するだろう」
「フィロソフィーとして、このタイヤは反応が速い。そしてステアリングホイールで受ける反応はよりナーバスだ。スナップが起こる場合(現行のタイヤよりも)必ず速く起こる」